Pan氏は、その点については明確になっていないとしながらも、長い昼寝により体の炎症レベルが上昇することを示唆した研究結果や、昼寝と高血圧や糖尿病の発症、全体的な健康レベルの低下との関連を示した研究結果について言及している。その上で同氏は、「われわれの研究結果から言えることは、昼寝をするのであれば、1時間以内にとどめる方が安全だということだ。もともと昼寝の習慣がない人に対して、それを今から習慣化することを推奨する、説得力のあるエビデンスは得られていない」と結論付けている。

 今回の研究報告を受けて、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ティッシュ女性健康センター長で、循環器専門医のNieca Goldberg氏は、夜間の睡眠時間が長いからといって良質な睡眠が取れているとは限らず、この研究ではその点が考慮されていないことを指摘。そして、「昼寝から、夜間の睡眠の質に関する手掛かりが得られる可能性がある」と述べている。米マウントサイナイ・モーニングサイドのMatthew Tomey氏もこれに同意し、「長時間の昼寝が習慣化している人もいるが、中には、夜間の睡眠時間が短すぎるか、または睡眠の質が低すぎるために、昼寝の時間が長くなっている可能性のある人もいる」としている。その上で両氏は、「頻繁に昼寝をする人は、睡眠時無呼吸やその他の問題により質の高い睡眠を得られていない可能性があるため、睡眠問題について医師と話し合うべきだ」と述べている。

 なお、米疾病対策センター(CDC)は、良好な睡眠を得るための習慣として、1)規則的な睡眠スケジュールを守ること、2)睡眠に関わる脳内化学物質が増加するよう、日中に自然光をたっぷり浴びること、3)定期的に運動を行うこと(ただし、就寝の数時間前の運動は避ける)、4)就寝前に人工光を浴びないようにすること、5)寝室を涼しく、暗くし、静けさを保つこと、の5つを挙げている。(HealthDay News 2020年8月26日)

https://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/longevity-982/could-long-naps-shorten-your-life-760754.html

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