内定者を入社までつなぎ留める「内定者フォロー」は、平時でも人事担当者が頭を悩ませるところ。コロナ禍においてオンラインのみで行うにはどんな工夫が必要か?特集『新しいマネジメントの教科書』(全18回)の#8では、第一屋製パンが実施した今年の内定者フォロー策から、オンラインのみでも学生の心をガッチリつなぎ留めるコツを考える。(ダイヤモンド編集部 山出暁子)
「オンライン採用」より難しい
「オンライン内定者フォロー」
多くの企業は採用内定を出した後、内定者が内定を辞退してしまわないようにつなぎ留めるための「内定者フォロー」を行う。通常は内定者同士で“同期”としての連帯感を強め、会社のことや業務内容をより理解してもらうためにイベントや職場見学会を行ったり、入社後の準備としてビジネスマナーや業務の基礎を学ぶ合宿研修や勉強会を開催したりする。
だが、コロナ禍では採用と同様、内定者が一堂に会する対面でのイベントや研修を実施することは難しく、オンラインでの対応を迫られた。
内定者フォローは内定を出した学生の心をつかんで離さないような企画力が求められ、ある意味で採用面接のオンライン化よりも難しい。しかも、オンライン採用によって、自分がこの先長く勤めるであろう会社の社内や社員を直接見ることも、実際の雰囲気に触れることもないまま就職を決めた学生は、時間がたつにつれ「本当にこの会社でよかったのだろうか……」という迷いが生じ、結果的に内定を辞退してしまう可能性が十分考えられる。
オンラインで学生の心をつなぎ留める内定者フォローは難しい。そこであるユニークな“つなぎ留め施策”を行ったのが、製パン大手の第一屋製パン(第一パン)だ。