通貨Photo:PIXTA

 日本銀行など主要中央銀行が、中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)の実証実験や共同研究を始める。

 将来、CBDCが浸透することになれば、これまで当たり前に無利子(ゼロ金利)で流通してきた現金通貨に対して、マイナス金利を付けることが技術的に可能になる。

 そのような世界では、「名目金利はマイナスにはならない」という「名目金利の非負制約」は意味を失い、金融政策の可動領域も拡がり得ることになる。

常に無利子、不思議な存在の現金通貨
CBDC浸透すればそうでなくなる?

 現金通貨、すなわち紙幣や硬貨は、景気が良かろうが悪かろうが、あるいはインフレだろうがデフレだろうが、常に無利子(ゼロ金利)で流通する不思議な存在だ。

 しばしば「名目金利はマイナスにはならない」ということが言われるが、この考え方の最大の根拠は、「常に無利子」である現金通貨の存在にある。