経営者・経営陣ブログで発信する

 スタートアップの最大の魅力の一つは、「経営者(経営陣)」が打ち出している世界観だ。採用力の高いスタートアップは、トップ自らが採用活動の最前線に立ち、「世界観」「あるべき姿」「自社のエキサイティングな活動」を発信し続けている。

 特に人数が少ないスタートアップの場合は、参加するメンバーは毎日、トップと顔を合わせて、一緒に伴走することになる。そういった状況が期待される中、ターゲットとなる潜在的な求職者から、「この人のもとで働きたい」をいかに引き出せるかが大切になる。

 例えば、人事や労務の手間を3分の1にするサービスを提供するスタートアップSmartHRの宮田昇始氏は自身のブログ内で自身のことや、会社の事情やノウハウをかなり詳細に話しており、マーケティングの手法としても大変参考になる。会社の「オープンネス」「風通しの良さ」が伝わってくる。

 最近だと、経営者の発信で特に有効なのがツイッターだ。とくにツイッターのアクティブユーザーは10代の61%、20代の60%と学生ユーザーが多く新卒採用にも有効に働くと言える。ツイッターの場合は、本音でつぶやいているユーザーも多いので、例えば、そこからダイレクトメールをくれた候補者のパーソナリティーが分かったりする。そこを見て、「カルチャーフィット」しそうかどうかを見極めることも可能だ。

 ホームページや採用ページも当然、求職者は、検討企業のものをチェックするので、必須になる。

 一方で「毒にも、クスリにもならないことが書いてある」と感じる求職者も少なくない。つまり、「リアルで、手触り感のある情報」を求職者は求めているのだ。そんな背景があるので「気になる企業があれば、まず、その会社の社長をフォローする」という人も増えてきている。

自社ホームページは更新できているか

 ホームページも重要になる。先ほどの採用チャネルの図表を改めて見ていただきたいが、求職者は、気になっている企業について、チェックしていく。きちんと最新のニュースやトピックを更新できているか。求職者を惹きつけるデザインになっているか、が重要な論点になる。

採用ページに投資する

 採用候補者が必ずチェックしにくる自社サイト内の採用ページは、投資を行っていきたい。あまりにも残念な作りのせいで離脱してしまうことはよくあることだ。

 有効なスタイルとしては、自社ホームページのメインページのところによく見えるような動線を作ることがポイントになる。

 そこから送客して、採用に特化したコンテンツを掲載する(例えば、この次に紹介する社員インタビューや対談記事だ)。

 このページを開いてもらった候補者・求職者に、世界観や自社のことを知ってもらうきっかけになる。振り向かせて、応募数を高めるには、パターンがある。まずは、求職者の「経験や実績」で振り向かせるパターン、仕事にやりがいを求めている人への欲求に訴えかけるパターンなどがある。