アートの裏側「美術とお金」全解剖#3
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日本の美術界の歴史をたどると「画壇」という世界でも独特の枠組みが形作られてきた。そんな組織がどう生き永らえ、なぜ今なお続いているのか。特集『アートの裏側「美術とお金」全解剖』(全10回)の#3では、奇怪にも映る彼らの内幕に迫る。

「週刊ダイヤモンド」2017年4月1日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

奇怪な画壇の独自システム
現代美術の対局で権力闘争

 日本の美術界の歴史をたどると「画壇」という世界でも独特の枠組みが形作られてきた。そんな組織がどう生き永らえ、なぜ今なお続いているのか。奇怪にも映る彼らの内幕に迫った。

「老い先短い自分の願いをかなえてくださいよぉ……」。「公募展」で入選するために“先生”に絵を描いてもらい、その対価としてお金を支払う――。

 とりわけ地方で今なお威光を放つ公募展の裏側では、幼い子どもでさえ「何でズルするの?」と首をかしげそうな、摩訶不思議なやりとりが行われることも珍しくはないという。ある公募団体所属作家はたまらず、冒頭のような実態を明かした。

「画壇」という言葉を聞いたことがあるだろうか。20世紀初めごろから、独自の発展を遂げてきた日本の美術公募団体の総称だ。いかにも日本的な上意下達の文化が美術界にも持ち込まれ、100年超の歴史の中でそれぞれの組織が枝分かれを繰り返しながら、今日に至っている。

 実は東京・六本木の「国立新美術館(新美)」は公募団体が公募展の開催地を求め、建てられた美術館だったことはあまり知られていない。