専門家によると、これらのワクチンの安全性と有効性を検証した臨床試験では、主にCOVID-19の重症化や死亡を防ぐことができるかどうかに焦点が当てられているという。よって、ワクチン接種を受けた人が感染した場合は無症状で経過することが多いと考えられるものの、その人から周囲の人にウイルスが伝播してしまう可能性の有無は、まだ分かっていない。
米ヴァンダービルト大学医療センターのWilliam Schaffner氏は、「ワクチンを接種していても感染する可能性があり、かつ他者に感染させる可能性もある。COVID-19のワクチン接種後にそのようなことが起きた事例はまだ確認されていないが、それが起きないと否定できる根拠もない」と述べている。
この意見には他の専門家も同意している。米ジョンズ・ホプキンス大学健康安全保障センターのAmesh Adalja氏もその一人だ。「ワクチン接種を受けた後に症状のない状態が続いていたとしても、ウイルスを保持しておらず他者に感染させることはないとの保証はできず、引き続き注意が必要だ」と同氏は語っている。そして、ワクチン接種後にもマスクを着用し社会的距離を保つことで、自分が無症候性の保因者になるリスクを下げられるとしている。