不動産投資で生き残るキーワードは「Creating α」

 ハーバード式不動産投資術のコアとなる考え方は、
 1「デザイン」、2「ファイナンシング(投資計画と資金調達)」、3「チームビルディングとネットワーキング」、4「景気サイクル&出口戦略」、5「再現性&成長性」、の5つに着目すること。そして、これら5つの観点で、平均値を上回ることにある。

 これが、僕がハーバードで学んだ「Creating(クリエイティング) α(アルファ)」という教えだ。

 本書では、読者の皆さんが自ら不動産を企画、指揮、実行できる「不動産プロデューサー」になることをゴールとして設定する。

・まずどんなことを不動産投資を通じて実現したいか? つまり、あなたの映画「不動産投資ものがたり」のテーマは?
・どんな用途なら最もリターンが高くなるのか?
・資金をどう調達すれば、レバレッジをかけつつ、リスクを最小化できるのか?
・どの業者に設計や施工を頼むと不動産の価値を最大化できるのか?
・投資のサイクルをどう考えればよいのか?

 などといったことを構想し、チームを指揮する映画プロデューサーのような仕事だ。

 初動の段階で、いかにこうした諸条件をデザインするかによって、高利回りとリスク低減が現実のものとなり、また、あなたにとってもユーザーにとっても、そして社会にとっても意義のある不動産投資活動が可能になる。

 デザインという言葉を使っているが、デザインとはある課題をクリアするための解法のようなものだ。実際にあなたがデッサン画を描き、図面を引き木材を切ったり削ったりして建物を造ることではない。

 あくまで、今直面しようとしている投資物件の特徴や課題を捉えて、どう良くできるのか? この解決方法を着想し、専門家のチームを雇い、指示を飛ばしてチームの力で物件を造り上げるのだ。それはメールでも電話でも、あるいは言葉やスケッチで伝えたり、参考写真を見せることでもできる。