トヨタの事業運営は「理」を重視し、ムダをとるのが特徴
一方、トヨタは、水素エンジンの開発に重点を置いていたと言っても、冷静に考えればすでに電気自動車の技術はすでにハイブリッド車に搭載され、どこの自動車会社よりも数多く量産されて、現実に公道を走っているのです。
チャージのためのステーションの数が少ない現実の下では、自身が運転している自動車そのものに発電する機能を持たせてしまう判断は、極めて「理」にかなっています。システムの開発力においても内製力が高い、底力を有しています。
そもそもトヨタは「理」を重視し、日々の業務の中には属人的な能力に依存する要素を極力減らし、皆で知恵を使い、柔軟かつシステマティックな事業運営体制づくりを目指しています。
組織内に起きるエゴが前面に出るような、人に起因するブレが起きる可能性が比較的少なく、組織の運営には、どこよりもムダが少ないのが特徴です。
ゆえに、他社に比べれば、技術者ははるか先を見据え、深く技術面の開発に取り組むことができ、将来に向けての周到な準備を行うことのできる文化を有しています。