あと数日で初出社。
本当は楽しみなはずなのに、考えれば考えるほど、なぜかワクワクよりも不安が大きくなってしまう。
コロナ禍で外出もままならないまま、オンライン面接で内定した会社。
本当に大丈夫なのだろうか。先輩たちは歓迎してくれるのだろうか。
学生時代の仲間と再会することなく新生活を迎えることになってしまった、という人も。
そこで、50万人以上のビジネスパーソンに読まれ、
今も多数の企業で新人研修のテキストとして採用されている
『入社1年目の教科書』の著者の岩瀬大輔さんが、不安を抱える新入生にエールを送る。
本記事では最新のインタビューと『入社1年目の教科書 ワークブック』から、内容の一部を抜粋・再編集し特別公開する。(まとめ/ダイヤモンド社書籍編集局・和田史子)

入社1年目の教科書、入社1年目の教科書 ワークブック
Photo: Adobe Stock

本当は楽しみなはずの
入社日がちょっとこわい

コロナ禍で卒業、そして新社会人として新たな一歩を踏み出す新入社員の方から、次のような相談を受けました。

「4月から新社会人としての生活がスタートするため、地方から東京に引っ越しました。こちらにはまだ知り合いがいないのと、コロナで会社の方ともリモートでしか会っていないため、初出社日がとても不安です。テレビのニュースで『感染のリバウンド』という言葉を聞くたびに不安が増します。どうすればいいでしょうか?」

本当なら楽しみなはずの初出社が、さまざまな理由で不安に襲われてしまう……。

特にこのご時世では、そうなるのも仕方がないと思います。

しかも、コロナ前であれば、学生時代の友人と卒業旅行に出かけたり、遊びに行ったりと、リフレッシュや気分転換もできましたが、今はそうもいきません。

実は私も、3月に日本から香港に入り、健康状態に問題はなかったものの、政府指定のホテルで21日間の隔離生活となり、ホテルの部屋から一歩も出られぬ日々を過ごしました。

窓からの景色も良く、いたって快適でしたが、空港に到着したときは、「これから21日間か」と、不自由な暮らしに、正直不安を覚えました。

そんなときに心強かったのが、友人たちとの「リモート語り」でした。

久しぶりの友人たちと、ただただ1時間、オンライン会議システムやテレビ電話を使って話をするというものです。

話す内容は、ほとんどが近況報告と雑談です。

「最近、どんな感じ?」
「今、ハマっているものは何?」

こんなふうに、何気ない会話をすること1時間。

朝はトレッドミル(ルームランナー)で歩きながら、夜はビールを片手に、とにかく気軽に話をするのです。

「誰かこの時間話せる人いますか?」とSNSで投げかけると、意外な人が手をあげてくれました。これがオンラインの良いところです。「いいですねー」と、相手も気軽に応じてくれます。お店を予約したり、予定を調整したり、出かける準備をする必要もない。

気を遣わず話ができるので、誘うほうもラクに声かけができました。

アプリで
自分の感情に気づく

みなさんもぜひ、学生時代のお友達と「少し話さない?」と、「リモート語り」をしてはいかがでしょうか。

夜よりも朝とかお昼のほうがいいかもしれません。

「1時間だけどう?」などと予定を決めて、そこで不安などを吐き出して、お互いに、なぐさめ、共感し、励まし合うのです。

ダラダラと長く話してしまうと、どんどんネガティブな方向にいきがちですので、終わりの時間を決めておくのがポイントです。

そして、話の最後は「話を聞いてくれてありがとう。おかげで元気が出たよ」とか「話を聞いてくれてうれしかった。出社日が楽しみになってきたよ。ありがとう」など、相手への感謝の言葉で締めましょう。少しだけポジティブなメッセージで会話が終われば、お互い、気持ちの良い時間を過ごせたという満足感が得られると思います。

お友達と話すのはちょっと……という人は、ご家族でも構いません。地方に住むご家族に連絡して、少しだけ話をする。それだけでも気持ちがスッと軽くなるかもしれません。

話す機会がないという人におすすめなのが、友人が作った書く瞑想アプリ「muute」です。

muuteは、今の気分を「不安」「感謝」「ワクワク」「疲れた」といった言葉から選び、感じたことや思ったことを数行、日記のように書くだけで、自分の感情と思考を振り返ることができるというもの。AIによる分析やレポートで、気づきや発見が得られ、自分自身を客観的に見ることができます。

湧き出てきた不安な感情を、無理して自分の中に押し込めずに、さまざまな人やモノの力を借りて吐き出し、明日への前向きな一歩につなげていきましょう。

次回は、初出社前日に「これだけはやっておきたいこと」についてお伝えします。
(2021年3月31日公開予定)

『入社1年目の教科書』の50ルールの36に「感動は、ためらわずに伝える」というのがあります。

『入社1年目の教科書』の50ルール、気になる人はぜひチェックしてみてください。