集中力が落ちた。
あの頃は、もっと没頭できたのに──

私たちは今、スマホやPCに1日平均11時間を費やしていたり、リモートワークによる働き方の変化に追われていたりします。
人のパフォーマンスを可視化するメガネ型デバイス JINS MEME」「世界で一番集中できる空間 Think Lab」などを手掛けてきた井上一鷹氏の著書『深い集中を取り戻せ』では、集中のプロとして、「これからどのように働けばいいのか」「どうやってパフォーマンスをあげるのか」を語ります。
脳科学的に、「やらされ仕事は4ヵ月しか続かないけれど、やりたいことは4年続く」と言われます。あなたが、夢中で何かに没頭できた体験。やらされ仕事ではなく、自らやってみようと思えたこと。何が原因かわからないけど、いつの間にか、『深い集中』が失われたすべての人へ、ノウハウをお伝えします。
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「働く場所」はどうなっていくのか?

人は深い集中に入るまで「平均23分」かかります。

それなのに、オフィスでは「平均11分に1回」も話しかけられたり、電話やメールやメッセージが来ます。

それに反応しないことも大事ですが、そもそも「どの場所で働くか」を考えておかなくてはいけない時代です。

働く場所は、主に次の3つに分けられます。

・「ファースト・プレイス」(自宅)
・「セカンド・プレイス」(職場)
・「サード・プレイス」(その他、居心地のいい場所)

これら3つは、どのように変化していくでしょうか。

Photo: Adobe Stock

ファースト・プレイス(自宅)は
江戸時代に回帰する

これから先、自宅は、確実に多機能化・多目的化していくでしょう。

家族との時間や1人の時間を過ごすだけでなく、集中して作業したり、リモートで打ち合わせなどをしたりする必要があるからです。

そう考えると、「すべての要件に対して70点くらいを取れるような場所」を目指すのが理想です。

実はこれは、本来の日本家屋の在り方に回帰するということを意味します。Think Labのメンバーである、quodの飯塚洋史さんは、次のような考えを持ちます。

“日本家屋は「布団」の文化で、朝には布団を畳み、そこで手作業系の仕事をこなしていました。つまり、プライベートと仕事が共存していました。だから、今後の家づくりは、江戸時代の日本家屋に学んで環境開発をしていくかもしれません。ただし、江戸時代との大きな違いは、親と子が徒弟制ではないことです。昔は、親の仕事を子どもが幼い頃から手伝っていました。その機能はないので、「育児」の問題だけは大きく残ります。”

いま住んでいる家は、「仕事として(ワーク)」「1人の時間として(セルフ)」「家族との時間として(リレーション)」、それぞれの項目で70点が取れているでしょうか。もし、どれかの項目が著しく低いのであれば、見直すべきなのかもしれません。

セカンド・プレイス(職場)は
縮小していく

セカンド・プレイスについては、ここまで述べてきたとおりです。

オフィスでは11分に1回も話しかけられ、個人が作業に集中できるような場所ではないため、次のような変化が起こるでしょう。

・オフィスの機能が縮小していく
・テレカン文化が根付くことで多人数用の会議室がなくなる
・仲のよい会社同士でオフィスを開放していつでもどこでも働けるようになる

過渡期は、オフィスの賃貸期間が残っているため、会議室を中心に(簡易)リノベ需要が活発化するのではないかと考えられます。

サード・プレイスは
非日常を与える

私たちThink Labの元々のビジネスモデルは、「サード・プレイス」に軸足を置いていました。

人は、日常をファースト・プレイスのみで過ごすと、刺激が減り、クリエイティビティさが失われますし、単純につまらなくなってきます。

そんな中で、自粛期間中によく聞いたのが、「どこでもいいからどこかに行きたい」という言葉でした。

コロナの前には、バリや沖縄など、明確に「ここに行きたい!」という目的があったのが、ウィズコロナ時代には、「ここではないどこかに行きたい!」に変わったのです。

1つの場所にいすぎると、人は「非日常」に対する希求を強めます

私たちが空間ビジネスに力を入れている理由は、ここにあります。

JINSでは「メガネを買いに行く場所」というだけにとどまらず、店舗での体験価値や空間演出に力を入れてきました。

そこでのノウハウは、さまざまなビジネスに応用できるでしょう。

オフィスでも自宅でもない「どこか」へ行きたい気持ち。それを満たす「わざわざ行く場所」には、非日常を演出する必要が出てきます。

今後は、より「サード・プレイス」のありがたさが顕在化していくでしょう。