集中力が落ちた。
あの頃は、もっと没頭できたのに──

私たちは今、スマホやPCに1日平均11時間を費やしていたり、リモートワークによる働き方の変化に追われていたりします。
人のパフォーマンスを可視化するメガネ型デバイス JINS MEME」「世界で一番集中できる空間 Think Lab」などを手掛けてきた井上一鷹氏の著書『深い集中を取り戻せ』では、集中のプロとして、「これからどのように働けばいいのか」「どうやってパフォーマンスをあげるのか」を語ります。
脳科学的に、「やらされ仕事は4ヵ月しか続かないけれど、やりたいことは4年続く」と言われます。あなたが、夢中で何かに没頭できた体験。やらされ仕事ではなく、自らやってみようと思えたこと。何が原因かわからないけど、いつの間にか、『深い集中』が失われたすべての人へ、ノウハウをお伝えします。
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今やっている仕事に「意義」はあるか

集中して働くことができないもうひとつの原因は、特に日本が内包している課題です。

それは、9~17時で出社していること自体に、労働対価をもらっているスタンスの「タイムワーカー」が多くいることです。

もちろん、国全体で解雇規制が強く、メンバーシップ型の雇用形態を続けてきたことにも問題があります。ただ、社会システムの課題を考えても、個人の生存戦略には何の意味もありません。

ここでは、タイムワーカー的な仕事の仕方が良い悪いと議論するのではなく、その方々の「自己肯定感」が満たされていないことを押さえましょう。

やっていることへの「無力感」の正体

今やっている仕事に満たされない思いがある場合、これは、管理する側の問題です。
うまく課題を切り分けて、遠隔でもメンバーに課題を渡すことができる管理者がいれば、タイムワーカー的な働き方にも、効率的に価値を生み出し続けられる可能性は残っているでしょう。

Photo: Adobe Stock

しかし、そういう管理者が育っていない場合は、タイムワーカー的な働き方の人たちが苦しみます。そんな声もリモートワークを取り入れた企業から、たくさん聞こえてきました。

コロナ禍の対応で非日常業務が増えて、マネジャーがその対応に追われていることが多くあったようです。そのため、指示を受けて仕事をするタイムワーカーの手が空いてしまうことも課題として現れました。

その結果が、「いま、自分は何の役に立っているんだろう?」という無力感であり、貢献感や自己肯定感を著しく失っている原因でした。

それが、「個人の集中」にも関係してきます。

自分の仕事が、組織や事業全体のどこに紐づけされていて、何のために必要なのか。それを認識できないまま、目の前のことに没頭するなんて不可能でしょう。

管理者の側はそれらをメンバーに伝える力が大事になってきますし、メンバーの側は意味を探し求める必要があるのです。

「役立っている」という実感

Mr.Childrenの『彩り』という曲の冒頭を知っているでしょうか。

「誰が褒めるでもないけど(中略)僕のした単純作業が(中略)まだ出会ったこともない人の笑い声を作ってゆく」

そんな歌詞です。

在宅勤務で1人で単純作業をしているときに、仕事の意義に納得できずに仕事をし続けても、そこに幸せを感じられるわけがありません。

同じオフィスにいて、チームで細かく擦り合わせができるような状況であれば、なんとなくでも、人の役に立っている感覚は得られます。

しかし、テレワークでのマネジメントでは、人の承認欲求は満たされず、いろいろなところに破綻をきたすようになりました

これまで、よくある島型のオフィスでは、お互いが話しかけ合ってマイクロマネジメントがおこなわれてきました。

そんなチームにおいては、在宅勤務の影響は大きいです。

一般的なオフィスでは、人は「11分に1回」も話しかけられていました。そのコミュニケーションに替わる方法は、スラハラのような監視するマネジメントであってはなりません。

その問題に向き合う答えは、ぜひ本書で学び取ってください。