集中力が落ちた。
あの頃は、もっと没頭できたのに──
私たちは今、スマホやPCに1日平均11時間を費やしていたり、リモートワークによる働き方の変化に追われていたりします。
「人のパフォーマンスを可視化するメガネ型デバイス JINS MEME」「世界で一番集中できる空間 Think Lab」などを手掛けてきた井上一鷹氏の著書『深い集中を取り戻せ』では、集中のプロとして、「これからどのように働けばいいのか」「どうやってパフォーマンスをあげるのか」を語ります。
脳科学的に、「やらされ仕事は4ヵ月しか続かないけれど、やりたいことは4年続く」と言われます。あなたが、夢中で何かに没頭できた体験。やらされ仕事ではなく、自らやってみようと思えたこと。何が原因かわからないけど、いつの間にか、『深い集中』が失われたすべての人へ、ノウハウをお伝えします。
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「時間管理の基本戦略」を考えよう
「仕事とプライベート」という分け方が一般的ですが、もう少し解像度を高めて時間管理をしたほうがよいという提案をします。
在宅ワークによって顕在化された大きな課題は、「家族との領土争い」や「家族や仕事の人間関係の問題」などです。
多くの人にヒアリングすると、離婚や夫婦不和を耳にすることもしばしばで、大きな問題になってきていると感じます。
どう対応すべきなのか、その考え方を紹介します。
「家族・友人との時間」と「1人の時間」
IMD business school北東アジア代表の高津尚志さんと、あるカンファレンスでご一緒したときの話です。
そのカンファレンスでは、働き方に関しての考え方をパネルディスカッションしました。
そこで高津さんが次のように表現していました。
”働き方を考えられるのは、生き方を決めた人間である。「ワークとセルフとリレーション」の割合と、それぞれのリソースを、自分が本当に大事に思っているものに向けられているか。それを問え。”
そのような話でした。その3つの概念を押さえておきましょう。
・ワーク:仕事に集中する時間
・セルフ:自分1人の時間
・リレーション:家族や友人などと過ごす時間
この3つは、どれか1つが重要だという話ではなく、3つすべてが必要であり、すべてに意識的に時間を振り分けるのが大事だということです。
私の場合、次のようにリソースを割くようにしています。
「ワーク」は、仕事過多ではあるものの、1日10時間程度に抑える。
「セルフ」は、仕事が趣味のような生活ではあるが、中古マンションを購入して、リノベーションして過ごす。
「リレーション」は、飲み会や会食は徐々に減らし、身近な人との時間を増やす。
こうして決めておくだけで、日々の過ごし方が変わってきます。
この3つの分け方は、在宅勤務だけではなく、人生において大事な考え方なので、一度、ぜひ振り返ってみましょう。