『取材・執筆・推敲──書く人の教科書』:目次

ガイダンス ライターとはなにか

ライターは「書く人」なのか/書くのではなく、コンテンツをつくる/編集者はなにを「編集」するのか?/ライターが「編集」するもの/ふたたびライターの定義について

第1部 取材

第1章 すべては「読む」からはじまる

一冊の本を読むように「世界」を読む/なぜ、あなたの文章はつまらないのか/情報をキャッチせず「ジャッジ」せよ/インタビューするように読む/多読よりも大切な乱読/ヒントは悪文のなかにある/わたしという人間を読むために/読書体力と自分を変える勇気

第2章 なにを訊き、どう聴くのか

なぜ取材はむずかしいのか/取材を「面接」にしてはいけない/「きく」ということばを分解する/聴くための土台はどうつくられるのか/ライターの自分を切り離す/相手の話を「評価」しない/質問の主語を切り替える/「いつもの話」のおそろしさ/本音と秘密を混同しない/質問力を鍛える「つなぎことば」/いかにして自分のこころを動かすか

第3章 調べること、考えること

取材には3つの段階がある/わかりにくい文章が生まれる理由/自分のことばで考える/自由の範囲を拡張するために/その人固有の文体をつかむ/憑依型の執筆はありえるのか/最後に残された取材相手とは/理解と感情の4ステップを追う/最良の反対意見を探す/取材という名の知的冒険

第2部 執筆

第4章 文章の基本構造

ライターの機能を考える/書くのではなく、翻訳する/言文一致の果たされていない世界で/ことばにとっての遠近法/論理をつくる「主張」「理由」「事実」/なにを論拠に語っていくか/説得から納得へ/人はなにが揃えば納得するのか/わかりにくい日本語と起承転結/起承転結から「起転承結」へ/ふたたび翻訳について

第5章 構成をどう考えるか

ことばを外気に触れさせる前に/なにを捨て、なにを残すか/構成力を鍛える絵本思考/桃太郎を10枚の絵で説明する/構造の頑強性を考える/情報の希少性を考える/課題の鏡面性を考える/構成を絵で考える理由/バスの行き先を提示せよ

第6章 原稿のスタイルを知る

ビル・ゲイツの告白/最強のオウンドメディアとしての本/本の構成(1)いかにして「体験」を設計するか/本の構成(2)各章は、どう設計されるべきか/本の構成(3)読後感を設計するために/インタビュー原稿(1)情報よりも「人」を描く/インタビュー原稿(2)話しことばの「わたし」を描く/対談原稿(1)対談とインタビューの違いとは/対談原稿(2)現場のなにを再現するのか/エッセイ(1)コラムとエッセイはどう違うのか/エッセイ(2)感情的文章から感覚的文章へ/コンテンツの賞味期限をどう考えるか/ジャンルよりもスタイルの確立を

第7章 原稿をつくる

原稿に必要な3つの要素/リズム(1)音読と筆写が必要な理由/リズム(2)「ふたつのB」を意識せよ/リズム(3)見た目の読みやすさをつくる/レトリック(1)想像力に補助線を引く/レトリック(2)比喩とはどうつくられるのか/レトリック(3)ますます重要になる「類似を見てとる力」/レトリック(4)文章力の筋力トレーニング/ストーリー(1)論文的ストーリーとはなにか/ストーリー(2)時間の流れではなく「論の流れ」を描く/ストーリー(3)起伏より大切な「距離」/ストーリー(4)起承転結は「承」で決まる/自分の文体をつかむために

第3部 推敲

第8章 推敲という名の取材

推敲とは「自分への取材」である/自分の原稿をどう読むか/音読、異読、ペン読の3ステップを/書き手と読み手の優先順位/最強の読者を降臨させる/論理の矛盾をどう見つけるか/すべての原稿には過不足がある/「迷ったら捨てる」の原則/読まれたくない文章を書かないために/書き上げるとはどういうことか

第9章 原稿を「書き上げる」ために

プロフェッショナルの条件/編集者とは何者なのか/ライターに編集者が必要な理由/フィードバックもまた取材である/推敲に「if」はある/やる気が出ないほんとうの理由とは/推敲の最終段階でなにを見るか/よき自信家であれ/原稿はどこで書き上がるのか

あとがきにかえて