どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要がある。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化したハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお伝えする。特別編としてお届けしている対談記事の最終回。対談ゲストは、不動産賃貸業、不動産経営に関するコンサルティングやセミナー、不動産仲介事業を行う会社を経営し、自ら不動産投資家としても活躍する広瀬智也氏だ。広瀬氏の「Creating α」のひとつ、家賃をアップさせる凄い裏技とは? 不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読。好評連載のバックナンバーはこちらからどうぞ。

投資ビギナーにもできるお金を使わずに不動産の価値を劇的に高める方法とは?Photo: Adobe Stock

弁護士をつけて家賃調停をして、
1年ぐらいかけて家賃をアップする

投資ビギナーにもできるお金を使わずに不動産の価値を劇的に高める方法とは?広瀬智也(ひろせ・ともや)
株式会社バンブーインターナショナル代表取締役社長
1972年北海道生まれ。1995年東京大学法学部卒業後、日商岩井(現、双日)の法務部、上海法人にて勤務。2000年に株式会社エリアクエストにて、取締役として事業用不動産の賃貸仲介業務を行う。2003年に株式会社バンブーインターナショナルを創業。2004年に株式会社不動産投資アドバイザーを創業(同社は後輩に譲り、代表者を退任)。現在は、株式会社バンブーインターナショナルにて、年間収入を1億円超稼ぎ出す不動産賃貸業、不動産経営に関するコンサルティングやセミナー、不動産の仲介事業を行う。2014年に一般社団法人相続オールインワンの理事に就任。著書に『キャッシュフローを生む不動産投資』(かんき出版)、『賢い大家さんだけが知っている! 不動産経営の常識・裏ワザ・隠しワザ』(ソフトバンククリエイティブ)、訳書に『世界の不動産王が明かす お金持ちになれる「超」不動産投資のすすめ』(東洋経済新報社)などがある。

上田真路(以下、上田) 最近言われたのは、よく金融機関とかITテック企業、Googleさんとかマイクロソフトさんとかで働かれている方は、やっぱフルリモートを求められるので、ワンルームだとちょっとリモートワークしづらくて、1LDKとか1SLDKとか、そういう物件に引っ越さなくちゃいけないという圧力が働いているみたいです。そういう市場が、逆にどんどん盛り上がってくるんじゃないかというのは、言われていますね。なかなかそういう中途半端な物件って、今までなかったんですよね。ワンルームか、2LDK以上かっていう感じだったので。

広瀬智也(以下、広瀬) そうですね。部屋が狭いほうが、投資効率がいいですしね。

上田 そうなんですよ。

広瀬 住む側からすれば、1LDKとかのほうが住みやすいんでしょうけど、それだと投資効率が悪くなりますからね。僕も新築を建てる時は、バストイレ別の部屋にするのですけど、あまり広くても投資効率が悪い。でも最低20平米はないと狭くて住みにくい。投資効率と住みやすいさの両立させるのを悩みながらやっていました。

上田 そうですね。もともと私は、神楽坂の狭小地でワンフロアに1住戸という小さい新築物件からスタートしたんです。40~50平米ぐらいのコンパクトなファミリータイプ、それをスィートルームとして民泊に貸したり、あるいはSOHOみたいにして働きながら、住めるような物件です。土地の制約と僕の資金の制約から、40~50平米がちょうどよかったのです。

広瀬 素晴らしいですね。

上田 そこが自分の得意技というか、そんな感じで今なってますね。広瀬さんがずっとやられてる中で、たとえばドルフ・デルースの『お金持ちになれる「超」不動産投資のすすめ』の本から学ばれて、これを具体的に物件の中でちょっと、実践して成功したみたいなことって、何かありますでしょうか?

広瀬 どうなんですかね。ベーシックすぎて何かをそのままやったというよりは、その教えのベースの上に自分なりにいろいろやった、という感覚かもしれないですね。結構、得意なのは中古の1棟を買って、あんまりお金をかけずにエントランスとかをきれいにして、というのは比較的、得意ですね。

上田 なるほど。メンテナンスですね。

広瀬 たとえば、ビルの1階が店舗物件とかで、周りの相場は坪2万5000円だとして、そこのテナントの賃料は坪1万1000円と絶対的に安く入ってる物件を買って、ここに弁護士をつけて家賃調停をして家賃を1.7倍とかに値上げして、その後売却するとか、そういうのはやったりしたことありますけど。

上田 弁護士をつけて家賃調停をして、それで市場相場とは違っているからというロジックで交渉して、1年ぐらいかけて家賃をしてアップしていく、みたいなかたちですか?

広瀬 そうですね。

上田 すごいですね。それやっている大家さんって、なかなか聞いたことがないです。

広瀬 大手の不動産ファンドとかだとやりますけど、あんまり私たちのような規模の会社だと、やりにくかったりするのかもしれないですけど。でも、相場と実際の家賃とのギャップがあれば、そこはチャンスだなと思っています。

上田 それすごいですね。私が不動産ファンドにいた時に、その手の話は結構やってたんですけど、それももうちょっとこう…。

広瀬 マイルドにした感じ?

上田 そう、マイルドに4%、5%とか、それぐらいから上げていくんです(笑)。

広瀬 ひたすら内容証明を送るファンドとか、昔はありましたね。

上田 ありましたよね。では、実際にやられてきた手法としては、メンテナンスと家賃値上げ交渉とか、立ち退き交渉とか、その辺ですよね。

広瀬 そうですね。ただ、日本の場合は賃借人のほうが基本的に権利が強いので、なかなか難しいですけどね。

上田 いいですね。ドルフ・デルースの本の第12章「お金を使わずに不動産の価値を劇的に高める方法」のこれですね。ペンキを塗る、郵便受けを新しくする、アメリカ風に言うと草を刈るとかですけど、日本風に言うとエントランスをきれいにするとかですね。そういうことをやられてたんですね。でも、たとえば、それで利回りが、坪1万1000円のものが1万7000円になるわけなんで、その店舗だけで言うと、NOI(実質収益)が1.6倍とかになって、利回りが1.6倍ぐらいにほんとになっちゃう、ということですよね。

広瀬 はい。ざっとですけど買った時に6%ぐらいで買ってて、もろもろの工夫でバリューアップして8%ぐらいになって売るとか、そういう感じだと思うんですね。

上田 で、またそれを保有して、また6%で売るってことですよね。よく分かります。ほんと素晴らしい、1人ファンドプレーですね(笑)。

広瀬 いえいえ。