ある日突然、異動や転職などでリーダーを任された。
配属先は慣れ親しんだ場所ではなく、
すでに人間関係や風土、文化ができ上がっている
“アウェー”のコミュニティ(会社組織)。
右も左も分からない中、
「外から来た“よそ者”」の立場で、
いきなりリーダーを任されるケースも
少なくありません。
また、多数のエンジニアを率いる非エンジニアの
リーダーなど、自分の専門外の領域でチームを
まとめなければならない
「門外漢のリーダー」も増えています。
今の時代、「よそ者リーダー」がリーダーの
大半であるといっても過言ではありません。
そこで、新規事業立上げ、企業再生、事業承継の
中継ぎetc.10社の経営に関わった
『「よそ者リーダー」の教科書』の著者・吉野哲氏が
「よそ者」こそ身につけたい
マネジメントや組織運営のコツについて伝授します。
今回は、“社内グループ”との向き合い方に
ついてお伝えします。
(構成/柳沢敬法、ダイヤモンド社・和田史子)
「3人集まれば派閥が生まれる」
「3人集まれば派閥が生まれる」と言われます。
人間が基本的に「集団をつくる生きもの」である以上、多様な人材が集まる会社で派閥やグループが生まれるのは、自然現象とも言えるでしょう。
特に多いのが、「よくランチに行く仲間」「しょっちゅう一緒に飲みに行っている仲間」「喫煙所仲間」、草野球やゴルフ、麻雀など「同じ趣味の仲間」が集う社内サークルなど、社内における仕事以外の人間関係の集まり、いわゆる「インフォーマルグループ」です。
こうした“罪のない”インフォーマルグループの存在は従業員同士のコミュニケーションの向上やストレス発散、仕事上の悩みの解消など、会社にとってメリットとなる部分も多いでしょう。
ただ、社長やリーダーという立場にある者として注意したいのは、たとえ趣味や遊びの集まりであっても、社内のインフォーマルグループに深く入り込みすぎないことです。参加するにしても年に数回程度にとどめておいたほうがいい。特に自らがリーダーとしてインフォーマルグループを率いるようなことは避けましょう。
仕事と直接関わりがあるかないかではなく、「社長(リーダー)が特定のグループとだけ親しく交流しているという事実」そのものが、社内に不公平感や不平不満を生み出す原因となることもあるからです。
自分の趣味や楽しみは、学生時代の友人など会社との接点がないところに求めればいいこと。
リーダーというのは、会社では“孤高”の存在であるべきだと、私は思います。