転職サイト「ビズリーチ」などを運営する巨大スタートアップ、ビジョナル。『突き抜けるまで問い続けろ』では創業後の挫折と奮闘、急成長を描いています。ビジョナル創業者、南壮一郎氏の経営に大きな影響を与えた人物。それが楽天グループ代表の三木谷浩史氏。三木谷氏は、目標を定めたらベターでもグッドでもなく、「120%出しきること」が大切と説きます。(聞き手は蛯谷敏)
■インタビュー1回目▶「楽天グループ代表三木谷浩史氏「アントレプレナーだけが、世の中を変えられる」」
――三木谷さんは、「王道でやる」という言葉をよく使っています。その言葉の真意はどういうものでしょうか。
三木谷浩史氏(以下、三木谷):やっぱり、ビジネスにはしっかりしたとした土台が必要だということです。事業の骨組みが強固でなければ、常に短期的な利益を追わざるを得なくなってしまいます。場当たり的なアイデアばかりになり、結果的に行き詰まってしまうんです。
最初の打ち出しは、しっかりと正しいことは何かを定めておく必要があります。
例えば楽天の場合、会員ビジネスを軸に、地方の経済を活性化するというのがベースにありました。それに基づくさまざまな施策から、現在のフレームワークができていきました。「これはちょっと儲かるからやってみよう」という話で始めていたら今のようにはなっていなかったでしょうね。
儲かることだけをやっている会社が成功しないとは言いませんが、社員のモチベーションはきっと上がらないでしょう。
ベターやグッドはダメ、120%出し切る
――目標を定めたら、最後までやり切る力が大切、ともよくおっしゃっています。
三木谷:みんな一生懸命やっていると思うんですよ。でも実際にビジネスには競争があって、同じようなサービスの中から選んでもらわないといけない。最後に選ばれるサービスになるには、どこまでやり抜けるかが大切だと思います。
そのためには、ベターやグッドじゃなくて、本当に自分の120%を出し切る必要がある。100%じゃ足りないんです。120%の力でいいサービスをつくり上げないと、やっぱりお客さまには支持されないし、収益的にも伸びない。それが僕の経験から導いた結論です。
――「まあまあ」のサービスではダメだということですよね。
三木谷:そうですね、「I did my best」はというのは結局、「best is not enough」だということです。厳しいけれど。
じゃあ、そこをやりきるにはどうしたらいいかと考えて生みだしたのが、「仕組み化」という言葉です。組織としてやり切るための仕組みがあるか。
例えば楽天グループでは、週に一度、全社員が顔を合わせる「朝会」という会議だったり、社内の報告システムだったり、いろいろなものがありますが、こういった仕組みがないと、1人の天才だけでやり切ることは難しいんです。なぜなら、その天才がいなくなったらサービスが崩れてしまいますから。
やっぱり企業というのは、基本的にはいくつかの仕組みの組み合わせなんです。それが企業の競争力を決める。自分の会社の仕組みは何かを考えるのはやはり重要だと思います。(談)
■インタビュー1回目▶「楽天グループ代表三木谷浩史氏「アントレプレナーだけが、世の中を変えられる」」