著者は「絶対に損したくない人」。だからこそ信用できる!
――岩本さんは「普通の人にとって再現性が高い」とおっしゃっていたのですが、どのあたりが「再現性が高い」と感じるのでしょうか。
岩本 この本では、特別な才能がなくても「投資で資産を増やすやり方」「株式市場の暴落を乗り切るやり方」「旅行をしながら生活費を抑えるやり方」「痛みを伴わずに支出を抑えるやり方」が著者の経験をもとに書かれています。
「旅行をしながら生活費を抑える」のは著者の趣味が強く表れている特徴的な部分ですが、それ以外の3つに関しては、何の知識や経験がない人でも「FIREを目指せる方法」がとてもわかりやすく、具体的に書かれています。
――「投資で資産を増やす方法」に関しては、この本をじっくり読んでもらうとして「株式市場の暴落を乗り切るやり方」というのは特におもしろいですね。多くの日本人のメンタリティに合うというか、「一番心配なところ」をカバーしてくれています。
岩本 この著者ほど「絶対に損したくない」「失敗したくない」と思っている人はいないですから(笑)。でも、だからこそ信用できる。
リスク回避志向が非常に強い著者なので、株で順調に収益が上がっていたとしても、暴落が起きたら、資産のすべて(あるいは多く)を失ってしまうんじゃないかと徹底的に考え抜いているんです。
たとえば、その方策として「利回りシールド」や「現金クッション」というやり方が本のなかで紹介されています。
過去のデータを調べ抜いて、仮に暴落が起こっても通常は二年くらい、長くても五年くらい投資資産に手を付けることなく持ちこたえることができたら、暴落は乗り切れると著者は算出したんです。
だから、それだけの期間をどう凌ぐか。自分の生活費をまかないながら、投資資産に手を付けずに、その期間をどう乗り切るか。その方法論が書かれているわけです。
詳しい説明は本を読んでもらいたいですが、暴落が起きたとき、一番いけないのがパニックになって、慌てて売ることです。
――暴落が起きて、自分の資産がどんどん減っていたら、パニックにもなりますよね。
岩本 それはそうなんですけど、株が下がっているときに慌てて売るのは、自分の資産を安売りしているのと同じ。投資の鉄則である「安く買って高く売る」の真逆の行動をしてしまうことになります。
だからこそ、暴落が起きているときに、売らずに持ちこたえることが大事になってきます。簡単に言えば、それを実現するための方法が本に書かれている「利回りシールド」とか「現金クッション」などの手法なんです。
――詳しい投資ノウハウはさすがにこの記事では伝えきれないのですが、この本を読めば読むほど、著者が「慎重な投資家」であることがわかりますね。