どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化した『ハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読です。好評連載のバックナンバーはこちらからどうぞ。
ポジティブ・レバレッジをどう創造するか?
強力なポジティブ・レバレッジを実現するためにはどうしたらよいか?
このポジティブ・レバレッジこそ不動産ファイナンスにおける、驚異的なアルファ(平均を超えるリターン)の創造につながり、強力なレバレッジを提供してくれるところだ。そのコツをぜひシェアしたい。
ステップ1:BOE分析をしっかりと行い、ローン後キャッシュフローが十分プラスになることを確認する。
返済比率という指標があり、月額の満室時家賃に対して、ローン返済額が何%になるかを示すものだが、これは50%以下が理想だ。60%を超える場合、投資はしないほうがよいだろう。要は真水部分であるローン後キャッシュフローが薄くなりすぎるのと、実質収益(NOI)が下がってきた場合に、ローン返済のための持ち出しが発生してしまうからだ。
ステップ2:融資5点セットを常に用意。全てデータにしてメール一括送信できるように。
融資5点セット(建築計画や物件概要、賃貸借条件の一覧表、建設見積もり、投資事業計画つまりプロ・フォルマ、与信情報)というものがある。この5点セットを銀行にサッと出せる不動産投資家は日本にどれほどいるだろうか。ここの地味な宿題がきっちりと出来ている大家には、銀行も早めの感触や回答をくれる。ここでも他の投資家とは差がつき、平均を超え、アルファを生み出せる。