そして、この往復生活をはじめた後に生まれたメンバーが次女のマメです。現在5歳。生後ゼロカ月で南房総デビュー、1カ月で海デビューも果たし、週末は土の上に転がって育ちました。植物を育てるのが大好きで、将来ここに根を張ってくれるかも、という期待の星です。
連れ添って13年になる夫は、毎日深夜まで働く勤め人です。自然が大好きのアウトドア派ではありますが、一方で煩悩の塊。「知ってるか? 俺のこども時代は世紀のスーパーカーブームで、大人になったら乗るのが夢だった。それがどうだ! 今じゃファミリーカーにこどもとネコだ」といろいろ言っています。知らん。
「でもな、スーパーカーより田舎暮らしだよな。やっぱりモノじゃない、コトだ。思い出だ。いやでも……スーパーカーもあれば言うコトなしだ」と聞く気も失せるないものねだりです。いざというときは頼りになりますが、なかなかいざというときが来ません。
加えて、本人たちの意思にかかわらず一緒に往復しているのは、ネコのクロとピョンです。東京では完全な家ネコ。「小さいケージに入れられて、しばらくゴトゴトして着く先では、外に出ても怒られないんだよなあ」と思っていることでしょう。
そして、著者のわたしはアラフォーならぬジャストフォー、母であり妻であり嫁であり、建築関係のライターであり、3年前から「NPO法人南房総リパブリック」を運営しています。
生きもの全般が好きで、目の合った生きものはすぐ飼ってみたくなるのが悪いクセ。でも、こどもから「ママは世話をするために生まれた人間」と言われるとどうも悔しい。誰かわたしの世話をしてくれ!
南房総での暮らしの何が嬉しいって、生きものたちとの出会いが圧倒的に多いことです。トホホな害獣に手を焼くこともありますが、「害獣」とはこっちの言い分。彼らにとっては 「害人」でしょう。いずれにせよ、人間以外と棲家(すみか)を分け合う環境での暮らしにやられっぱなしです。
以上、5人と2匹。よろしくお願いします。おろおろと情けない部分も、大雑把で適当すぎる部分もわたしたちの真実ですのでご容赦を。
また、20年来の友人である東京R不動産の吉里裕也さんのご協力を得て、現在の二地域居住・移住事情や不動産探しのポイントなどをまとめたコラムも加えました。暮らし方を変えてみよう、と思うときの参考になれば幸いです。
さて、それではしばし、東京と南房総の往復生活にお付き合いください。