フリーランスが注意すべきことは何か?

  その他、「簡易課税」を選択している人は、場合によってはソンすることもあるので注意が必要です。
  現制度では、年間売上(税抜)が5000万円以下だと簡易課税が利用できます。
  簡易課税の場合は、計算を簡略化するために、業種によって違う「みなし仕入率」を使います。

  ライター、デザイナー、プログラマー、アフィリエイターなど、いわゆるフリーランスと呼ばれる職種の場合、みなし仕入率はサービス業と同じ「50%」。ですから、仮に売上が1200万円あったとすると、税率5%の消費税額が60万円で、みなし仕入率が50%ですから、その半分の「30万円」を収めることになります。

  フリーランスで使う経費と言ったら、旅費や資料代、消耗品費や賃借料とか、全部合わせても売上の半分(50%)までいかないことが多いです。

  フリーランスのなかには、仕入自体ない人もいるでしょうから、みなし仕入率50%は、じつは有利なのですね。

  そうだとすると、税率が上がると、その分はまるまるソンするような気がしますよね……。
  このことは、税金を納める側からしたら死活問題。負担感はかなり増えることでしょう。
  こうなると、もう税率が上がるのをジッと待って、痛みを我慢するしか方法はないんでしょうか?
  それもちょっと残念なので対応を考えてみると、それなりの規模になっていたら、一度法人成りを検討してみるというのはどうでしょうか。
  最低1年は消費税の納税を先送りできますからね。

  そのほかには、簡易課税をやめて外注先としての自分のマネジメント会社をつくるという手もあります。

  その分手間と負担は増えますが、これも目先の節税にはなります。
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  まだ時間があるのですから、いろいろ調べて対応を練っていきたいものですね。

(次回は11月21日更新予定です。)


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岩松正記(いわまつ・まさき)
通称“ぶっちゃけ税理士”。東北税理士会所属。会計事務所勤務を含め、10年間に転職4回と一時期無一文になった経験を活かし、起業専門税理士として創業から事業承継・M&Aまでを網羅して中小企業を支援。何事にも本音でぶちあたるその姿が共感を呼び、政府系起業支援団体の第1期アドバイザーとして指名数東北・北海道ナンバーワン(全国3位・起業相談部門)となったほか、開業5年で102件関与と業界平均の3倍を達成。関与した経営者は2000人超。元査察の税理士に仕えていたため、税の世界の裏事情にも詳しい。