日本を代表する株価インデックスであるTOPIX(東証株価指数)の構成銘柄は今、東証1部上場の全銘柄が対象だ。この構成銘柄の見直しが始まる。タイムリミットである2023年10月までに流通株式時価総額100億円に達しない銘柄は、TOPIXから完全除外されることになる。特集『東証再編 664社に迫る大淘汰』(全25回)の#13で、その流れを解説する。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
流通株式時価総額100億円未達でTOPIXから完全除外
プライム落ち危機の企業に待ち受ける「本当の恐怖」
プライム市場の基準に達していない東京証券取引所の1部上場企業は今、基準達成に向けた計画書の策定に取り掛かっている。
時価総額が数十億円規模の企業にとって、最大の難関は「流通株式時価総額100億円以上」の壁だろう。ある証券会社の幹部は「流通株式数はテクニカルに増やせるが、株式の希薄化やアクティビスト(物言う株主)の買い増しを招くなど“副作用”も大きい。結局のところ、業績で結果を出して株価を上向かせるしかない」と断言する。
そのためには数年間に及ぶ長期的な取り組みが不可欠だが、中には来秋を基準達成の目標時期に据えた企業もある。
なぜか。それは2022年10月、流通株式時価総額100億円未満の企業をTOPIX(東証株価指数)から段階的に除外する“恐怖”の選別が始まるからだ。