大きな図解で日本の「新・階級社会」を解説
全5階級で年収激減の衝撃
そして、新型コロナウイルスの感染拡大は、階級格差をさらに広げる「副作用」を引き起こした。結果、日本人の脳裏にかすかに残っていた1億総中流という意識を完全に打ち砕いてしまった。
階級格差の苛烈さは、あるデータを見れば一目瞭然だ。
橋本健二・早稲田大学人間科学学術院教授は、データを駆使して日本社会の階級構造を定点観測してきた格差問題のスペシャリストである。今回、橋本教授の協力を得て、コロナショック前後で世帯収入、貧困率、働き方がどう変わったのかを徹底検証した「階層調査データ」を初公開する。それによれば、〝格差世襲〟を裏付ける衝撃の事実が明らかになった。
データの詳細解説に入る前に、階級の分類について説明しよう。
橋本教授は、日本社会を形成する階級を、職種や雇用形態などにより五つに分類してきた。
血統や資産を持つ「資本家階級」、大企業エリートやホワイトカラーなどの「新中間階級」、自営業者や家族経営従事者などの「旧中間階級」、単純作業やサービス業・販売業などの「正規労働者」、非正規労働者の「アンダークラス」の5階級がそれだ。
今回のコロナ危機が、それぞれの階級に属する人々にどのような生活・働き方の変化をもたらしたのか。2021年の1月から2月にかけて実施した「三大都市圏調査」で明らかになった。
その結果、コロナショックを境に、資本家階級からアンダークラスまでの全5階級において、年収が激減するという衝撃の結果が導き出された。
ただし、コロナによる「打撃度」には、階級によって大きなばらつきがあった。