日東駒専&産近甲龍#9Photo:PIXTA

「産近甲龍」と「関関同立」の最新の難易度は?そして、親世代の難易度からどう変わったのか?特集『MARCH・関関同立に下克上なるか!?日東駒専&産近甲龍』(全19回)の#9では、団塊ジュニアの18歳人口がピークを迎え、大学受験戦争が激しさを増した1992年度から約10年ごとの8大学全学部の偏差値を一挙に公開する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

産近甲龍の難易度トップは
30年前は最下位だった近畿大

 およそ30年前、現受験生の親世代が大学受験を経験した「私大バブル」と呼ばれる時代から、「産近甲龍」と「関関同立」の偏差値はどう変化しているのか?入試方式の多様化や大学進学率の上昇、模擬試験の母集団の規模の差など単純比較はできないものの、大学間の横比較や推移から一定の分析は可能だ。本特集#6『MARCHと日東駒専「全学部の全偏差値」過去29年の推移を分析!“滑り止めの星”は昔の話?』では「日東駒専」と「MARCH」の偏差値を見たが、ここでは西の二大私立大学グループを見てみよう。

 まずは、かつて関関同立ならぬ「関関同産」と一部でいわれたほど、同じ京都の立命館大学に迫る勢いがあった京都産業大学。確かに1992年度の偏差値(ベネッセコーポレーション〈B判定〉)を見ると、立命館大にほぼ匹敵する難易度の学部が多かった。だが、最新の2021年度偏差値は、文系学部で58~60、理系3学部は60に満たず、立命館大はおろか産近甲龍でも最も合格しやすい難易度になっている。

 片や、30年間で産近甲龍の末席からトップに躍り出たのが、近畿大学だ。文系学部の偏差値は総じて65前後。医学部を除いた理系学部も65前後の学部が多い。特に建築学部の67は、同志社大学以外の関関立の理系学部の難易度に肩を並べる高さとなっている。

 関関同立に目を転じると、やはり同志社大が頭一つ抜きんでている。他の関関立が総じて文系学部で70前後、理系学部で60台後半にある中、同志社大はそれぞれ75前後、70前後だ。加えて、02年度と21年度の偏差値の差(比較可能な全学部の偏差値の単純平均)も+9.3と、産近甲龍を含めた8大学の中で最も難化している。

 次ページから、産近甲龍と関関同立の、まずほかでは見ることができない92年度から最新21年度までの全学部の偏差値をおよそ10年ごとに掲載した。個々の大学だけでなく、学部単位の優勝劣敗も見て取れる。受験生には志望校選びの、あるいはOB・OGには母校がどれだけ躍進しているかの参考にしてほしい。