日東駒専&産近甲龍#8Photo:PIXTA

2021年4月に駒澤大学初の女性学長となった各務洋子氏は米国の大学卒業、米国のコンサルティング企業に勤務、ICU(国際基督教大学)の大学院博士課程修了などの経歴を持ち、学長就任後も同大学のグローバル・メディア・スタディーズ学部で教壇に立つ教授でもある。特集『MARCH・関関同立に下克上なるか!?日東駒専&産近甲龍』(全19回)の#8では、グローバル視点で経営戦略を専門に研究してきた新学長が既存の大学像からの変化をうたい、駒澤大学の生き残り戦略を語る。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山出暁子)

学生が18歳から22歳ばかりという
日本の大学がいかに特殊か

――少子化で18歳人口が減る中、数年以内に名実共に「大学全入」時代がやって来るといわれています。この状況をどう捉えていますか。

 少子化に対しては私自身、相当な危機感を持っています。ただ、大学の学部生の90%以上が18歳から22歳という日本はかなり特殊だとも思うんです。

 海外の大学に行くと、年齢がうんと高い人も、とびきり若そうな人もいます。講義にはいろんな人がいて、出身国はバラバラだし、置かれている環境もバラバラで、仕事を終えてから授業に出ているという人もいます。ですから、今の日本の大学のような、一定の条件の人だけで成立している状態は少子化の中で崩れていかざるを得なく、大学はもっとダイバーシティが求められる場になっていくでしょう。

 以前、駒澤大学は欽ちゃん、萩本欽一さんが73歳で入学して、20歳前後の学生と一緒に、毎日きちんと講義を受けられていました。あれこそダイバーシティで学ぶ姿だと思います。

――一般的には、駒澤大学は「日東駒専」という枠組みの中のイメージが強いという現実もあります。

 そこは本当に残念です。物差しが偏差値だけになってしまっていますから。