神田昌典。1999年に出版したショッキングピンクの本は瞬く間にベストセラーとなり、「Before Kanda & After Kanda」という現象を創出。NHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉』(11/9.16放送)でもカリスマ経営コンサルタントとして紹介された。
その神田氏が、アメリカで百年以上続くコピーライティング技術を日本で普及させ、はや四半世紀。
いま、第一人者、25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』(468Pの大著)が発売たちまち話題となっている。
4つの力(判断力・思考力・表現力・発信力)が身につく【コピーライティング技術100】
【BTRNUTSS見出しチェッカー】【PASBECONAテンプレート】【PMMサーチシート】初公開
「どう言うか」だけでなく「何を言うか」まで完全網羅。紙・ウェブ・スマホ完全対応
比類なき最強の教科書。第一人者、25年の集大成
神田氏は言う。「タイトルを『大全』としたのは誇張ではない。従来のコピーライティングにとどまらない広範な分野──事業戦略、マーケティング戦略から効果計測・分析、テキストデザイン、表現技術や発想法まで──総計100に及ぶコピーライティング技術を横断的につなぎ合わせ、実用しやすい体系にまとめあげるには、果てしない作業が必要となった。そのモチベーションを持続できた理由を、こっそりと明かせば、著者たちの個人的な事情がある。実は、共著者2人は、人生の先行きが見えず、大きな壁にぶちあたっていたときに、コピーライティングに救われたからだ」
第一人者の神田昌典氏と、共著者で脳性麻痺の子どものために大企業の管理職を辞し、マーケティング・コピーライターとなった衣田順一氏。
今回は神田氏に、動画にもコピーライティングが必要な理由を語ってもらおう。

【第一人者のコピーライティング技術100】動画にもコピーライティングが必要なこれだけの理由Photo: Adobe Stock

動画でも「人がモノを買う」原理原則は同じ

 インターネットによる動画が普及したことで、以前は巨額のコストがかかったテレビCMやテレビショッピングでしか使用できなかった動画によるセールスが、一般人でも手軽に利用できるようになった。

 通信環境の高速化により、動画でセールスする流れが今後も加速するのは間違いない。

 動画なので、ライティングに関係ないと思われるかもしれないが、セールスを動画でやる場合でも、「人がモノを買う」原理原則は同じなので、コピーライティング技術なくして、動画セールスが成功することはありえない。

 動画の場合も、どんな要素をどんな順番で言うかという基本的な構成や流れはLP・セールスレターとまったく同じなのだ。

 動画でも、「誰に」というターゲット設定は必須。万人ウケを狙っても、メッセージがぼやけてしまい、かえって刺さらなくなる。これはLP・セールスレターと同じだ。

 次に「何を言うか」は「どう言うか」より断然重要という原則も、そのままあてはまる。

 ただ、動画の場合、文章以外に、話す人の表情や姿勢、声や話し方など、五感の要素が加わってくる。

 文章の場合、多少読みにくくても、内容さえ面白ければ読んでもらえるが、動画の場合、聞くに耐えない、見るに耐えないことはよくあるので、「どう表現するか」はとても大切だ。

 しかし、どんなに見栄えよく話しても、話す中身がイマイチなら、人を動かすことはできない。

 また、話している内容が激しく前後したり、横道にそれると、何が言いたいのかわからなくなる。

 だから、「何を、どんな順番で言うか」をストーリーチャート本書304ページ)=シナリオにしておくのが有効なのだ。

 動画でのセールスで、まず思い出されるのはテレビショッピングだ。

 テレビショッピングでは昔から、「それだけではありません」と特典をたくさんつけたり、「0120-xxx-xxxへ今すぐお電話を」と、行動を呼びかけるCTAを入れるなど、コピーライティングの手法が散りばめられている。

 テレビショッピングも「PASBECONA」にあてはめてみると、よくわかる。

 次の事例は、庭の高い木の枝を切る「高枝切りばさみ」のテレビショッピングだ。

【第一人者のコピーライティング技術100】動画にもコピーライティングが必要なこれだけの理由出所:画像はトランス・コスモス株式会社。日本直販ユーチューブ公式チャンネル

 このテレビショッピングの内容をもとに、我々が「PASBECONA」の流れにアレンジしてまとめたのが、次ページの表だ。問題のとらえ方など、ところどころアレンジしているが、大きな流れはおわかりいただけると思う。

【第一人者のコピーライティング技術100】動画にもコピーライティングが必要なこれだけの理由■テレビショッピングを「PASBECONA」にあてはめたら

 このように、セールスを動画でやる場合にも、コピーライティングの原理原則はそのままあてはまるのだ。

 次回は、コピーライティングで売上が上がる4つの理由について紹介しよう。

(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)