判決の3パターンとは?
1つ目のパターンは、「その土地を分筆して分けなさい」という判決です。1つの土地に線を引き(これを分筆といいます)、それぞれ1つずつ取得し、売りたい人は売り、持ち続けたい人は持ち続ける形になります。
しかし、この方法は、既に土地の上に家が建っている場合や、分筆すると家が建てられないほど小さくなってしまう場合等には使えません。
その場合には2つ目のパターンに移ります。2つ目は「一方の共有者が、一方の持分を買い取ってあげなさい」という判決です。
先ほどの例で言えば、二男の持分を、長男が買い取る形になります。この形が実現できれば、長男は土地を守り続けることができ、二男はキャッシュを手にすることができるので万事OKですね。
長男が買い取れない場合には、3つ目のパターンに移行します。それは「不動産を丸ごと売って、キャッシュで分け合いなさい」という判決です。
この場合、長男の希望は叶いませんが、二男の希望は叶います。二男の権利を守るためにも仕方ない判断と言えますね。
以上が、共有物分割訴訟の基本的なパターンです。
まずは①分筆を検討し、それがだめなら②共有者の買い取りを検討、それもだめなら③一括売却という流れになります。
プロセスを知っておけば、対策も考えられます。ポイントはどこでしょうか。