「自走サイクル」の第一歩である「抜擢」

「自走サイクル」とは、「若手を育てる」ではなく、「若手が自ら育つ」しくみのことです。

1.抜擢:期待をかけられることで、「自走スイッチ」がONになる
2.決断:覚悟を決める。意思決定によって、自らの「決断経験」を増やしていく
3.失敗:成長において欠かせないもの。必要不可欠なプロセスと理解する
4.学習:失敗を次の経験に活かすための内省。次のステージのための準備をする

この4ステップが一つのサイクルとなっています。

「自走サイクル」の第一歩である「抜擢」は、人が自分で勝手に急成長するだけでなく、チームに大きな成果をもたらすものであることを、前提として押さえていただきたいのです。

「抜擢なんて、優秀な若手がいる組織でしかできないことでしょう」
この言葉が誤解であることは、もうおわかりだと思います。

若手抜擢の3つの原則

1.成果を上げるために「抜擢」をおこなう(「やらない」という選択肢はない)
2.すべてのメンバーに「抜擢」はおこなえるし、おこなうべき
3.正しいやり方で「抜擢」すれば、人は勝手に急成長する

まずは、この3つの原則を押さえておきましょう。

※次回は、企業が抱える3つの「抜擢問題」についてお伝えします。(次回は12月14日公開予定)

曽山哲人(そやま・てつひと)
株式会社サイバーエージェント 常務執行役員CHO 曽山哲人氏

1974年神奈川県横浜市生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。1998年伊勢丹に入社、紳士服部門配属とともに通販サイト立ち上げに参加。1999年、社員数が20人程度だったサイバーエージェントにインターネット広告の営業担当として入社し、後に営業部門統括に就任。2005年に人事本部設立とともに人事本部長に就任。2008年から取締役を6年務め、2014年より執行役員、2016年から取締役に再任。2020年より現職。著書は『強みを活かす』(PHPビジネス新書)、『サイバーエージェント流 成長するしかけ』(日本実業出版社)、『クリエイティブ人事』(光文社新書、共著)等。ビジネス系ユーチューバー「ソヤマン」として情報発信もしている。

2005年の人事本部長就任より10年で20以上の新しい人事制度や仕組みを導入、のべ3000人以上の採用に関わり、300人以上の管理職育成に携わる。毎年1000人の社員とリアルおよびリモートでの交流をおこない、10年で3500人以上の学生とマンツーマンで対話するなど、若手との接点も多い。