みずほが、不祥事を何度繰り返しても生まれ変われず、金融庁に「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と企業文化を酷評されるに至ったのはなぜか。その真相をえぐる本特集『みずほ「言われたことしかしない銀行」の真相』(全41回)の#16では、金融当局である金融庁と日本銀行にまで視野を広げる。

みずほが最初の大規模システム障害を起こした当時、金融当局の金融庁と日銀の責任問題にまで飛び火した。そんな中、世論の批判をかわそうと金融庁が講じた手段とは?

「週刊ダイヤモンド」2002年5月25日号特集「みずほ漂流銀行」を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

危機管理能力の低さを露呈
金融庁・日銀に問われる責任

 みずほトラブルの火の粉が、金融庁・日本銀行にもふりかかろうとしている。行政当局は、システム障害の危険性を事前に把握していたのか、していなかったのか。行政責任を問う声は日増しに高まる一方だ。

 2002年5月8日、4人の金融庁のシステム担当検査官がみずほホールディングスの検査に入った。主任検査官を含め4人全員が金融機関や商社でシステムに携わってきた民間出身。金融庁の検査チームとしては、異色の編成だ。