みずほが、不祥事を何度繰り返しても生まれ変われず、金融庁に「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と企業文化を酷評されるに至ったのはなぜか。その真相をえぐる本特集『みずほ「言われたことしかしない銀行」の真相』(全41回)の#30では、リーマンショック前夜の2008年8月に時をさかのぼる。当時「みずほ銀行ショック」がささやかれるほど、みずほの融資姿勢が一変。問題企業の倒産を加速させていた。みずほ内で何が起きていたのか。

「週刊ダイヤモンド」2008年8月23日号「インサイド」を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

問題企業倒産を加速させる
「みずほ銀ショック」の深層

「みずほに(融資を)引かれたのが痛かった」

 2008年8月13日に民事再生法適用を申請した不動産会社、アーバンコーポレイション関係者はこう本音を打ち明ける。多くの取引銀行がメインバンクの広島銀行に融資の肩代わりを求める「メイン寄せ」が起きていたが、その引き金をひいたのがほかならぬみずほ銀行だったというのだ。