考えすぎてつい、メールが長文に!
みさき HSPさんのメールが長文になるのは、気遣いの表れなんですよね。
おがた メールって、ちょっとした言葉の選び方で冷たく感じられがちなので、顔が見えない分、気を遣うんです。「ちょっと質問です」というのも、考えて考えて、考え抜いて丁寧に書いていくうちに、どんどん長くなる。
みさき それも典型的な、あるあるですね(笑)。
おがた 「返信不要です」の一言でもいいのに、これじゃ冷たいかな、と思って、「ご確認の上、特に変更なければ、お返事はいただかなくても大丈夫です」とか、どんどん長文になっていく(笑)。
みさき うん、うん。私も最初は長文でした。でも、新人で入った会社で、仕事の相手が外国人だったため、「用件だけ簡潔に。長文で書くな」と徹底的に鍛えられたのが幸いして、ビジネスの場に限っては、ここは気を遣う場ではないと理解してからは気がラクになりました。
おがた 気持ちの割り切り方なんでしょうね。
みさき むしろ、プライベートでちょっと仲良くなり始めたくらいの人とのやりとりがいちばん怖い。どこまで踏み込んでいい相手か、わからない段階がいちばん気を遣います。
おがた うん、なるほど。そうですね。
みさき ですから、以前は相手の出方を見ながら、探りながら……でした。でも、この10年ぐらいは「もういいや」って割り切る手もあるかなと思って、最初からかなり突っ込んで自分を出していくようになりました。もちろん、それには訓練が必要だし、実は今も内心、冷や冷やしてはいるのですが(笑)。
おがた 慣れでしょうね。私はやはり挨拶文から一生懸命、考えてしまいますね。だからTwitterとか、いつも書いては消し、書いては消しで、最近あまり発信できていないかな。短い文章なので、意図通りに受け止められない可能性もある。みさき先生は、いかがですか?
みさき 私も140字という制限の中で誤解されないようにどこまで説明できるかとチャレンジしてきましたが、あまり得意ではないです。だから最近、発信を控える結果になっています。リンクをつけて「オンラインの記事が出ました」くらいになってしまって……。それよりも最近は、YouTubeとかインスタライブでの発信が私には合っていると感じますね。
おがた それは、どういう点が合っていると感じるのでしょうか?
みさき 何と言えばいいかな……。自分の陣地の中で、心を守りつつ、わりと自由に好きなことをお話しできる感覚ですね。人によると思いますが、私の場合は話すほうが気楽です。おがた先生の場合は絵と文字、漫画という表現がいちばん安心できるということでしょうね。
おがた そうですね。そして私の漫画に反応してくださる皆さんも、それぞれ合った表現を選んでいるのだと感じます。リツイートしてくださる方、文字で表現するのではなく「いいね」をポチッとすることを最大限の表現としてくださる方、メールで「私が考えていたことをそのまま表現してくださってありがとう」「今まで自分が感じていたことが何だったのか、やっとわかりました」などと書いてくださる方……と、さまざまです。喜んでくださっているのはわかるし、個性が出ますね。
みさき 文字だけだとわかりにくいところが、漫画だと伝わるのでしょうね。
おがた そうですね、文字だけよりも感覚的な面が伝わるのかな。漫画だとHSPさんの感覚に響いて、スッと心に入りやすいのだと思います。
みさき 私の場合も、感想をくださる皆さんのスタンプの選び方1つにも、個性や共感の熱さが表れているなと感じたりしますね。
<後編に続きます>