「2020年『20代の成長環境がある企業』ランキング」(エン・ジャパン調査)でも第4位に輝いたサイバーエージェント。
実際サイバーエージェントでは、どのように若手のやる気を引き出し、若い人たちから支持される企業となっているのか。
サイバーエージェントの採用や人材育成を牽引する“人事のカリスマ”曽山哲人氏は、「ウチの若手はやる気がない」と言うリーダーや管理職に対して、「それはやる気がない環境を作っているだけでは?」「その環境を作っているのは誰ですか?」と厳しい指摘を投げかけます。
昨年末の発売直後から「若手育成の新しいバイブル」として企業の人事やリーダー、マネジャーから熱い支持を集めている『若手育成の教科書』の著者でもある曽山哲人氏に「若手のやる気を引き出すコツ」について、超具体的なノウハウを聞いた。
(取材・構成/イイダテツヤ、撮影/増元幸司)
入社2日目から元気がなくなる新入社員
―― 「若手を育てる」という話になると「ウチの若手はやる気がない」「全然、自分から動こうとしない」などの声もよく耳にするのですが、そのあたりについて曽山さんはどう感じていますか。
若い人に対して「やる気がない」「自分から動こうとしない」と言う人はたしかにいますけど、私はまったくそうは思っていません。
若い人にやる気がないのではなく、やる気をなくさせてしまっているだけ。
若い人に限りませんが、ひとりひとりに才能は絶対あるし、それを純粋に開花させる環境がないだけだと思っています。
どんな人でも入社初日の4月1日は期待しているはずなんです。期待して、やる気を持って職場にやって来るんです。
でも、2日目から元気がなくなってしまう新入社員はいます。
入社式の日に「なんか、おかしいな」と感じてしまう何かがあったわけです。
やっぱりそれは「やる気をなくさせる環境」の問題だと思います。
その人自身が「選ぶ環境」を間違えている可能性ももちろんあるんですが、環境が合ってないのは確かです。
だから「若い人がやる気がない」のではなく、環境がそうさせているわけです。
そして、その環境を作っているのは誰か。
残念ながら、「ウチの若手はやる気がない」と言っているその人こそ、原因を作っている一人であることは間違いないと思います。
―― ブーメランのように自分に返ってくるわけですね。
本当にそうです。
もちろん、その人だけが悪いのではありません。組織で変えていかなければならない部分ではあるんですが、やはり「ウチの若手はやる気がない」と言って、若手のせいにしているのは違うと思います。