SNSが誕生した時期に思春期を迎え、SNSの隆盛とともに青春時代を過ごし、そして就職して大人になった、いわゆる「ゆとり世代」。彼らにとって、ネット上で誰かから常に見られている、常に評価されているということは「常識」である。それ故、この世代にとって、「承認欲求」というのは極めて厄介な大問題であるという。それは日本だけの現象ではない。海外でもやはり、フェイスブックやインスタグラムで飾った自分を表現することに明け暮れ、そのプレッシャーから病んでしまっている若者が増殖しているという。初の著書である『私の居場所が見つからない。』(ダイヤモンド社)で承認欲求との8年に及ぶ闘いを描いた川代紗生さんもその一人だ。「承認欲求」とは果たして何なのか? 現代社会に蠢く新たな病について考察する。
ありのままの素を見せると男は逃げる
「ありのままの君を受け入れるから、ダメなところも全部見せて良いよ」って言うから、安心して本当の自分でぶつかったのに。ありのままの素の自分を見せたら「なんか違う、ゴメン。重い」って。あいつ、信じらんない! 受け入れられないならはじめからダメなところ見せて良いとか言わないでよ!!
なにそれ、最低!! 男って本当に嘘つきだよね-。
ねー。
こういう会話を、つい先日、某飲食店で耳にしました。チラリと隣を見ると、20代前半くらいのうら若き女子たちが、眉間に皺を寄せてウンウン呻いているではありませんか。
どうやら、1人の大学生くらいの女の子が、彼氏に振られてしまった様子。身振り手振りを動かし勢いよく愚痴るのを、友人達がなだめながら聞いていました。
こういう女子の会話はどこに行っても本当によく聞きます。気の置けない昔からの仲間、仕事関係の友人知人、こうして街中ですれ違う女の子たち……。実際に私も似たようなことで愚痴をこぼしたことが多々あります。
「男は嘘をつく生き物」。これが女子会での常識であり、どんなに若くてあざとくて美しい女の子でも、恋人とのいざこざにぶつかると、口を揃えて言うのです。「どうして男ってあんなにわかり合えない生き物なのかしら」、と。