「返金保証をはじめとしたリスクリバーサルは絶対必要なのか?」という質問もよくある。

 答えは、新規客向けの場合は、ほぼマストだ。

 理想の顧客を選ぶ目的で、意図的に返金保証をつけない戦略ならいい。だが、リスクリバーサルがあるのとないのとでは、あるほうが訴求力は確実に高くなる。

 ただ、返金保証をつけることに対し、心理的抵抗のある人も多い。

 返金保証をつけると、せっかく販売できたのに、大量の返金要求があるのではないかと恐怖を感じてしまうのだ。だが、きちんとした品質で、価値あるものを売っていれば、返金率はどんなに多くても10%未満。通常は5%未満だ。

 当社の事例の一部を初めて公開しよう。

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 相対的にBの3.9%は悪い感じがするが、むしろこれくらいが標準で、他がよすぎる。その背景はこうだ。

 AとBは価格帯が少し違う。だが、どちらも「フロントエンド」。

 ただし、Aが既存客がメインの販売なのに対し、Bは広告経由の新規客がメインだった。

 Cはフロントエンドとバックエンドの間に位置する「ミドルエンド」であり、既存客がメインだった。

 つまり、AとCの大半は、信頼関係のできた既存客向けなので返金率は低い。一方、Bは新規客がメインだったので、AとCに比べ返金率が相対的に高く見える。

 返金保証があることで、どの程度販売数が伸びたかを定量的に把握することは難しいが、アンケートには「返金保証があったから購入した」という感想も多く、購入への心理的ハードルを取り除く効果があることは間違いない。また、このケースでは、いずれも返金率は十分許容範囲内だ。

 次回は、今すぐ行動を喚起する4つの「限定」の技術を紹介しよう。

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(この動画は予告なく終了することがあります)

(本原稿は、発売たちまち大重版となった、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)