感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />「なんとなく辛い」がスーッとなくなるたった1つの方法イラスト:カツヤマケイコ

知れば「しんどい心」がラクになる考え方

きょうのひとことは、
「辛いときはあきらめてみる」

「あきらめる」ということは、「手放す」ともいえます。

手放すことが多ければ多いほど、心がラクになるのです。

「手放す」というと、いいイメージですが、「あきらめる」というと、なんとなく悪いイメージがつきまといます。

しかし、「手放す」と「あきらめる」の違いは、それくらいのもので、実質的には、ほぼ同じことです。

また、「手放す」というと、意図することがちょっと伝わりづらいので、「あきらめる」といったほうがわかりやすいんですね。

では、実際にあきらめてみると、どうなるのか?

気持ちがラクになるんです。

たとえば、一生懸命仕事を頑張ったとします。でも、頑張ったのに、いい結果が出ずに報われないと、疲れだけが残ったような徒労感に苛まれることもあります。

そういうことが辛いのであれば、思い切って一度、いい結果を得て報われようとすることを、あきらめてみるのです。

それだけでも、辛い心がフッとラクになると思うんです。

これを「手放す」というと、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、「あきらめる」というと、わかりやすいでしょう。

学校教育の影響なのか、「あきらめるな」「努力しなさい」といった精神論が刷り込まれている人は少なくありません。

そういう背景を踏まえると、先ほどもいったように「あきらめる」というと、すごい悪い印象でとらえられがちなのです。

しかし、「あきらめる」というのは、いいことでも悪いことでもなく、ものごととの適切な距離を保つための方法の1つです。

「あきらめる」ということは、そもそも悪いことではないと踏まえたうえで、「あきらめる」という方法をとり入れてみてください。

「なんとなく辛いとき」も、なにか1つあきらめてみるとラクになります。

うまくいかないことがあって、モヤモヤして辛い……。そういうときこそ、あきらめが足りないときなのです。

自分をふり返ってみて、あきらめられそうなことがあれば、思い切って、あきらめてみてください。そうすると、ちょっと心がラクになると思います。

あきらめたくないことを、無理やりあきらめようとしなくてもいいです。でも、「これは、あきらめてみようか」と思いつくことがあったら、あきらめて気にしないようにしましょう。

そうすると、新しく見えてくることがあったりしますからね。

きょうのひとことは、
「辛いときはあきらめてみる」
でした。

参考になったかしら?