「ケンカしない論点整理話法」の全5ステップ
会話の中で次の5点に注意しましょう。
●1.他の意見に言及する
自分の意見を主張する前に、まず、これまで出された意見に言及します。
すると、会話の参加者が自分の意見が理解されたと感じられます。
こちらのオープンな理解を示すことで、異なる意見への寛容な態度をアピールできます。
「なるほど!●●とお考えなんですね」
「これまで●●という意見が出ました」
と相手の言葉をパラフレーズするだけでも効果的。
意見がたくさん出たときは共通点や違いを積極的にまとめましょう。
「ここまでの意見は、●●と△△に分けられるかと思います」といった論点整理は効果絶大です。
これまで決定的な意見が出てこないときは、自分の意見とは異なる意見を考え、あえてその意見に言及してみます。
「◎◎に関してですが、○○といった考えがあるかもしれません」
異なる意見を示すことで、他の意見にオープンな姿勢をアピールしながらも、自分の立場をさらに明確にできます。
●2.他の意見の根拠や強みを認める
これまでの意見の根拠は何か。どうして議論に値する意見なのか。
根拠はこれまでの会話で提示されていることもあれば、自分で探さなくてはいけないこともあります。
根拠までいかなくても、どんなところが意見の強みかを述べるだけでもいいのです。
「なるほど●●とお考えなんですね。●●が強みですもんね」
「●●という考えに基づき、●●という意見が出されました」
と他の意見に言及する際に、根拠や強みを確認することで、論点整理だけでなく、異なる意見を尊重している印象を植えつけられます。
●3.他の意見の弱みや問題点を指摘する
他の意見と根拠を確認したうえで、可能な反論を考えましょう。
その意見に隠された悪い結果や論理的矛盾など、何でもかまいません。
その反論を、意見の弱み、解決しなければいけない課題として提示しましょう。
「でも、ちょっと引っかかるのが、●●が問題になりうることです」
「●●というふうに反論する人もいるかもしれません」
ここで大切なのは、決して異なる意見を完全否定してはいけないこと。
自分の意見は常に変わるかもしれないというオープンな姿勢を忘れないようにしましょう。
●4.自分の意見とその根拠を示す
1.~3.を経て、今度は自分の立場を示します。
そのときに気をつけるのは、自分の意見を絶対的なものとして表現しないこと。
こんなふうに言ってみましょう。
「でも、ちょっと引っかかるのが、●●ということが問題になりうることですよね?
そのあたりの問題を考えると、私はとりあえず●●という立場になります」
他の意見の問題点を自分の立場の根拠として挙げつつ、「とりあえず」「立場を取る」といった対立に発展しないフレーズにするのです。
これまで出てきた意見に賛成する場合でも、その他の意見、根拠、問題点をまとめたうえで、自分の賛成意見を根拠づけるのが効果的です。
●5.異なる意見にオープンな姿勢を再確認する
自分の意見を述べた後、他の意見にもオープンである姿勢を再度明確にしましょう。
自分の意見を述べた後に、こう言ってみます。
「でも、この立場はこの立場で、●●という問題もあるんですよね」
また、さらなる意見を促す姿勢も効果的。
「私はこう思うのですが、●●さんはどう思いますか?」
というふうに自分の発言を問いかけで終わらせることもアリです。