感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】孤独を恐れないたった1つの考え方

日ごろから頭の中に入れておくべきこと

きょうのひとことは、
「孤独を基本にする」

少子高齢化や核家族化が進んだり、新型コロナウイルスのまん延で在宅勤務が増えたりして、孤独を感じる人が増えています。

「孤独」というものは、いざ孤独になったときに「なんとかしたい」と思っても、なかなかうまくいきません。素敵な家族やパートナー、友人や同僚が周りにいる状態のときから、孤独について考えておくことが大事なんです。

つまり、孤独を基本に生活を送るというスタンスを持つということです。家族や仲間がいたりしていても、「自分ひとりだったら、どう過ごそうかな」とイメージしながら行動する。「でも、いまは自分ひとりじゃないから、ありがたいな」という認識を持って、みんなと過ごすというわけです。

鎌倉時代の僧で、時宗の開祖・一遍は、「生ぜしもひとりなり。死するも独りなり」(生まれたときもひとり。死ぬときもひとりである)といったそうです。人間の本質は、「ひとり≒孤独」であり、孤独を大切にして生きることが求められるのでしょう。

ひとりでも楽しめるけれど、いまは周りに人がいてくれている。いずれ、ひとりになるときがきたら、「こんなふうに楽しもう」とイメージしながら過ごす。周りに人がいてくれることに感謝できると、より毎日を大切に過ごせるようになりますし、周りに人がいなくなったとしても「ひとりで過ごす時間が戻ってきただけだ」と思えてきます。

「ひとりだからこそできること」を頭の中にイメージしておくと、誰かが周りにいてくれないと寂しい、耐えられないなんてことがなくなってきます。「ひとりでやれることをやろう」「いまはひとりになるタイミングだ」と思えるんですね。

多くの人は、当たり前のように、周りに人がいることを基本にしています。そして、いざ孤独になったとき、不安に苛まれがちです。

大切な人がいると、その人を大切に想う気持ちと、その人を失ったらどうしようという不安を、同時に抱えてしまいがちです。

ただし、人はいずれ孤独になるもの。そう認識しておかないと、知らないうちに他人に依存するというリスクが高まります。

いつの間にか他人に依存する状態になると、その依存に自分が乗っとられてしまって、大切な人との関係性を破壊してしまいかねません。だからこそ、孤独を基本にすることが大切なのです。

精神科領域においては、アルコール依存症、ギャンブル依存症、買い物依存症など、さまざまな依存症がありますが、依存症を克服するのはとても難しいことです。

だからこそ、依存に陥らないようにすることが大切になってきます。こうした精神科領域の依存症でなくても、日常生活において人がなにかに依存する要素はたくさんあります。

他人に依存するということも、そのひとつです。だからこそ、何度もくり返すように「孤独を基本にする」という価値観が大切なのです。

「いつでもひとりになれるんだ」ということをイメージをして、毎日を過ごしましょうね。

きょうのひとことは、
「孤独を基本にする」
でした。

参考になったかしら?