NHK「プロフェッショナルの流儀」で紹介され話題沸騰! 1200年続く京都の伝統工芸・西陣織の織物(テキスタイル)が、ディオールやシャネル、エルメス、カルティエなど、世界の一流ブランドの店舗で、その内装に使われているのをご存じだろうか。衰退する西陣織マーケットに危機感を抱き、いち早く海外マーケットの開拓に成功した先駆者。それが西陣織の老舗「細尾」の12代目経営者・細尾真孝氏だ。その海外マーケット開拓の経緯は、ハーバードのケーススタディーとしても取り上げられるなど、いま世界から注目を集めている元ミュージシャンという異色の経営者。そんな細尾氏の初の著書『日本の美意識で世界初に挑む』がダイヤモンド社から発売。閉塞する今の時代に、経営者やビジネスパーソンは何を拠り所にして、どう行動すればいいのか? 同書の中にはこれからの時代を切り拓くヒントが散りばめられている。同書のエッセンスをお届けする本連載。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。

西陣織を使った世界初の外壁素材は、どうやって生まれたのか?photo: Adobe Stock

どんなチャレンジでも、実現には四年はかかる

 本連載では、どんな荒唐無稽な妄想からでも、手順を踏めば、夢のようなことが実現できるというような話をしてきました。

 とはいえ、どんなアイデアでも妄想を逞しくすれば必ず実現できるということではありません。とくに革新的で、これまで前例のなかったようなアイデアだと、実現には相当の苦労も覚悟する必要が出てきます。

 これはあくまで私の感覚ですが、「どんなチャレンジにも、実現には四年間はかかる」と最初から腹づもりをするべきだと考えています。

 四年間はつまり、忍耐の時期です。四年というスパンは、実際にあらゆるプロジェクトが実るのに、だいたい要する時間です。