仕事や人間関係…しんどいことが多い、という人にぜひ読んでもらいたいのが、「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」(わび著)だ。著者のわび氏は元幹部自衛官としてエリート街道をひた走っていたが、上司のパワハラと早朝深夜の激務が重なりメンタルダウン。復職を果たした後、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、転職。現在は外資系企業の社員として活躍している。自衛隊などの社会人経験で身につけた仕事術、メンタルコントロール術についてツイートした内容が人気を集め、Twitterを開始して2年半でフォロワーは13万人を突破、10万超えいいねを連発し、ネットメディアにもたびたび取り上げられている。仕事・人間関係で生き抜く知恵が詰まった本書。今回は、発売を記念して特別に本文より一部抜粋、編集して紹介する。

【元自衛官が語る】「35歳転職限界説」「メンタルダウン不採用説」というウソPhoto: Adobe Stock

「できない理由」を探していませんか?

「環境を変えて働きたい」「もっとよい条件の仕事をしたい」。

転職を考えている人は金銭的なことが理由だったり、自己実現のためだったり、メンタルなどの健康面を考えてのことだったり、理由は人それぞれだと思います。

でも、転職しようと思っても、なかなか一歩が踏み出せない人が多いのではないでしょうか。

私もメンタルダウンしてからは、ずっと「環境を変えて働きたい」という思いがあったのですが、はじめの一歩が踏み出せずにいました。

理由は、世の中に絶対的な真実のように存在する「一般論」です。

私がなかなか転職に踏み切れなかったのは、インターネットなどでよく見かける「35歳転職限界説」「メンタルダウン不採用説」「元自衛官は通用しない説」を信じ込んでいたからです。

当時の私は35歳以上で、メンタルダウン経験もあったし、自衛官でもありました。

そういうわけで、インターネットなどでよく見かける不利な説を信じ込むと三重苦です。そんなモヤモヤのなか、思い出したのが私に戦略を教えてくれた上司の生き方でした。

そのころ、その上司はすでに自衛隊を退官し、書籍の出版や講演会など、表舞台に立つようになっていました。

自衛隊にいるころは、そんなに階級も高くなく、あまり知られた存在ではなかったのに、退職してからは華々しく活躍されていました。

その人の活躍ぶりを見て、「転職活動で失敗したら、そのときは腹くくって自衛隊で働けばいいじゃん。行動する前からなんで失敗することを考えてんだ?」という考えに至りました。

結果、3ヵ月ほどの勉強で社会人採用で市役所に転職、その後は航空業界に転職し、そこそこの年収をもらいながらストレスフリーに働いています。

もはやメンタルダウンしたことがウソのように思えるくらいです。

人はネガティブな情報に引っ張られる

三重苦のなかで転職してみて思ったのは、「インターネットに書き込む人は肯定的な人より批判的な人」「人はネガティブな情報に引っ張られること」です。

転職が成功して人生が充実していたら、インターネットに書き込む暇なんてありません。

また、人は現状に甘んじてしまうので、「できない理由」を探してしまうものです。

私のことを「極めて少ない一例だろ……」と切って捨てる人も多いです。

でも、絶対にゼロでない以上、行動する価値はあると思います。行動しなければゼロ、行動したら可能性はある、この差は大きいです。