感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!
なにかを失っても、なにかを得られる
きょうのひとことは、
「失うことは悲しくない」
2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン(米プリンストン大名誉教授)によると、人は利益(得ること)より損失(失うこと)を2~2.5倍大きく感じるそうです。つまり、人は「失いたくない」「損をしたくない」という気持ちが強いということです。
「得ること」から得られる満足より「失うこと」から被る苦痛のほうが大きい心理のことを「損失回避」といいます。
しかし、基本的に世の中のすべての物事は、必ず失われていくと考えがほうがいいです。それが世の中の道理だからです。
人間の命だって、いつか必ず失います。人間の致死率は100%なのです。
もちろん、ある程度は、先延ばしをするなど、いろんな工夫をすることはできるのですが、本質的に得たものは時間とともに失われていくという運命にあると思ったほうがいいでしょう。
ただし、得たものがどんどん失われていくかのように感じすぎると、虚しさに襲われたり、先行きが不安になったりします。では、どうすればいいのでしょうか?
同じ物事であっても、視点を変えるとネガティブにもポジティブにも感じられるもの。なにかを失うと同時に、なにかを得ているとも考えられるわけです。
なにかを失ったときは、なにか新しい物事がはじまるきっかけにもなり得ますし、失った物事をふり返ることによって、なにかを得ることだってできます。
ところが、意識して得ようとしないと、得ることができません。意識しないと、得ていたとしても気づかないともいえます。
いまあるものは、だんだん失われていくという前提に立って、なにかを失うと同時に、そこからなにか学ぼうとしたり、新しいことをはじめたりと、常になにかを得ようとする姿勢を意識することが大切です。
すべては、自分がどう見るか、どう考えるかによって違ってくるのです。くり返しますが、なにか失ったときには、失うだけでなく違うものを得ているかもしれないし、新たなチャンスを得ているかもしれない。それをキャッチするには、そのことを意識しなければなりません。
そうすることによって、いまあるものがいずれ失っていくということにも耐えられるし、なにかを得ようとすることは、なにかを発見しようという姿勢そのものであるので、毎日が前向きになって楽しくなってくるはずです。
きょうのひとことは、
「失うことは悲しくない」
でした。
参考になったかしら?