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【Twitterフォロワー30万人超の精神科医が教える】もうモヤモヤしなくなる!不満を上手に伝える方法

不満は伝えたほうがいい

誰かに不満を抱いたとき、伝えたほうがいいのか、伝えないほうがいいのか? そんな相談を受けることがよくあります。結論からいうと、不満は伝えたほうがいいです。自分の不満を相手が認識してない可能性がある状態ですから、放っておくと不満は募るばかり。やがて不満が爆発しかねませんから、状況が悪化する前に伝えたほうがいいでしょう。

問題は、どう伝えたらいいのか? 相手への不満をダイレクトに伝えると、相手にとってはいちゃもんをつけられて攻撃されているように受け止められますし、「急になに言い出すの?」という感じで、そもそも伝わらないかもしれません。

まずは「自分が困っていること」「悩んでいること」を相手に伝えて、「だから、こういうふうにしてもらえないかな」というふうに、第1段階で現状を伝え、第2段階で現状を改善するための「提案」もしくは「相談」をしてみるといいです。そうすれば相手も受け入れやすく、関係性を改善しやすくなるでしょう。

人間関係はコミュニケーションの「量」と「質」によって決まる

不満を伝えるのが苦手な人、もしくは怖がる人は、「自分が我慢して不満をためるか」「相手に不満を伝えて怒らせてしまうか」という二択で考えてしまう傾向があります。しかし本来は、「我慢するか」「喧嘩するか」というネガティブな二択ではなく、相手に不満を抱えているという問題点を改善するための選択肢を用意すべき。関係性を向上させるため、「お互いの妥協点を話し合う」というポジティブな選択肢を考えるほうがいいのです。

さらに「あなたもなにか困ってることないですか?」と、最後に相手の立場になった問いかけをつけ加えてみることです。自分だけでなく、相手の不満も改善することをうながせば、「雨降って地固まる」のたとえのように関係性が深まりやすいでしょう。人間関係は、つまるところ、お互いの情報のやりとりが大事なのです。

どれだけコミュニケーションをこまめにできるか、そしてその質がよいかどうか。コミュニケーションの「量」と「質」によって決まるんですね。だからこそ、不満があったら相手になにも伝えず緊張感が続くよりは、相手に現状を伝えて提案・相談して、なおかつ自分の気持ちを伝えるだけでなく、相手の気持ちも聞き出す。けんか腰でなく、あくまで関係性の向上のために。

『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、不安や悩みを解消するヒントが満載です。