金融DX大戦#7Photo:Bloomberg/gettyimages,Mieko Arai

テクノロジーの進化が、地方銀行における再編の力学にまで影響を及ぼそうとしている。地銀の“盟主”といえばりそなホールディングス(HD)と SBI ホールディングス(HD)だが、どちらもこれまでとは一味違う形で地銀を取りまとめようとしているのだ。特集『金融DX大戦』(全22回)の#7では、りそなHDとSBIHDによる新時代の“地銀再編”の形と、両社の「盟主決戦」の行方を占う。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

“地銀再編”に「第三の道」が出現!
地銀業界におけるデジタル化の衝撃

「経営者として一番してはいけないことは、変化が起こりつつあるのに、昔の成功体験にあぐらをかいていることだ」。5月27日、SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝社長は決算会見の場で、世界的な金融政策の転換や地政学リスクの高まりなど、大きな事業環境の変化に直面する経営者の心構えについてそう語った。

 地方銀行の経営陣にとって頭の痛い「変化」といえば、世の中のデジタル化だろう。顧客側のデジタル対応の遅れもあって、地銀のデジタルトランスフォーメーション(DX)は、進め方が難しい。

 しかしデジタル化という変化は、すでに地銀経営にインパクトを与え始めている。地銀の“二大盟主”であるりそなホールディングス(HD)とSBIHDは、テクノロジーを起点とした今までにない手法で地銀の取りまとめをしようとしているところだ。

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