サマーズ氏、失業率5%超えを懸念
FRBはあくまで景気「軟着陸」を主張
欧米でインフレが急伸する中、グローバル製造業PMI(S&Pグローバル)で見ると、7月は51.1という水準まで低下してきており、過去の経験則上は、世界経済は限りなく「減速」の領域に近づきつつある。
とりわけ注目される米国では、1~3月期に続いて4~6月期もマイナス成長になったこともあり、いよいよこのまま「景気後退」に向かうのかどうかという議論が過熱している。
金利の引き上げを続けるFRB(米連邦準備制度理事会)の幹部は、インフレを2024年までに2%の目標値近くまで抑制すると同時に、失業率の大幅な上昇も回避する、いわゆる「ソフト・ランディング」が可能だと主張する。
一方、ラリー・サマーズ元財務長官らは、失業率は最終的に5%を超える「ハード・ランディング」になるとして、FRBの主張を強く批判する。
論争の鍵を握るのは、ココロナ禍で職を離れた労働者が職場に戻らず人手不足から賃金が上昇する労働市場の動向だが、直近の労働参加率はむしろ悪化している。