不安と向き合うか、不安に飲まれるか
がん検診の目的は、「早期発見」にあります。進行する前に見つけて、すぐ治療して、命を守るためのものです。
ところが、早く見つけるためにではなく、「がんの不安を払拭(ふっしょく)するために」受診する人が少なからずいるのです。このタイプの人は、がんではないことを確かめたいという一心なので、がんが見つかるとパニックになります。
ここでの適切な対応は、いい病院を見つけて、きちんと治療を受けることです。さらにいいのは、どこの病院が自分に合っているかといった情報を検診の前に調べておくことです。
そうした備えをしていないと、さらに間違った判断に陥りがちです。よく考えもせずに、目についた病院を治療先に選んで、意に沿わない治療方針で心身ともに疲弊する、というのが典型的なパターンです。
不安と向き合うか、不安に飲まれるかで、結末は天と地ほども変わるのです。