「仕事に関係のない雑談をされることが不愉快」
また、先の調査とは別の、「コミュニケーションスタイル別の購買者100名へのインタビュー調査」でも、同様の質問をして判明した事実があります。それは、「仕事に関係のない雑談がいい」と回答している人以外は、「仕事に関係のない雑談をされることが不愉快」と答える人が多かったことです。
人は不思議な生き物です。信頼している人や好意を抱いている人からは、質問されたり、自分の話をしたりするのに抵抗はありません。しかし、よく知らない人からあれこれ質問されると、「詮索されている」と感じて、不快感を抱くのです。そうなると、アイスを“ブレイク”するどころか、巨大なアイスを招き寄せていることになりかねません。
代表的な雑談ネタが、天気です。一般的に共通項を持ちやすい話題ですが、初対面で天気の話をされてもお客様の心のドアは開きません。その日が記録的な猛暑などのケースを除いて、関心のない話題を持ちかけられたところで、決して心を許せる存在になりはしないのです。
では、プライベートやプライバシーに迫る雑談はどうでしょう。「連休は何をされていたのですか?」「お住まいはどちらなのですか?」といった質問です。初回訪問でこの手の質問をされたら、まるで他人の部屋に土足で入り込むようなもの。私だったら怖いし迷惑です。
BtoC営業であれば、場合によってはお客様のプライベートにあえて踏み込む質問が必要かもしれませんが、BtoBの新規営業では、考え方を改めるべきでしょう。特に新規営業におけるアイスブレイクでは、「プライベートな雑談はしない」がグランドルールになります。繰り返しますが、相手を不快にさせるような雑談は不要です。