会話の切り口(2)自分の体験から共通項を手繰り寄せる

 公開情報から会話を展開するだけでなく、応用編としてそこに自分自身の体験を手繰り寄せ、ひも付ける方法もあります。例えば、「私も過去に○○業界の仕事をしていたことがあるので、御社のビジネスが広がったらすごくうれしいなと思っています」といった会話です。

 自身の体験でひも付けられない場合は、自分の身近な人の体験でも構いません。事前にエピソードを用意しておくことで、互いの緊張がほどけるきっかけになるでしょう。

 最後に、初回訪問におけるお客様の仕事情報をどのように仕入れるか、切り口をまとめてみます。

公開情報
・商談者をSNS検索する
・商談者の名前×画像で検索する
・最新ウェビナー内容をチェック
・最新リリースをチェック
・顧客の業界のニュースや話題について調べる

体験情報
・お客様と接点のある人が社内にいないか
・SNSなどを通して共通の知人がいないか
・お客様もしくはお客様の社内の人と共通項や接点がないか
・お客様の業界やビジネスと自分の体験で、ひも付けられることがないか
・お客様の業界やビジネスと自分の知人の体験で、ひも付けられることがないか

 上記の調べ方で情報を仕入れれば、ひととおりの準備はオッケーといえるはずです。

 いずれにしても、アイスブレイクで重要なのは「特別感」や「個別化」です。ありきたりな話題を振られると、お客様は冷めきってしまいます。が、「自分事」として捉えられるような、エピソード付きの話題であれば心の距離をぐっと近づけられるでしょう。

 また、お客様によって「されたい」営業は違いますし、営業パーソンによっても得手・不得手があります。観察と実験を繰り返して、オリジナルなアイスブレイクを発案してみてください。

(セレブリックス執行役員 今井晶也)