ジャガイモを使ったオーブラックの郷土料理アリゴ
アリゴはニンニクで香りを付けたマッシュポテトにチーズを混ぜ合わせた料理。ステーキなどの付け合わせで出てきます。見たことがあったり、アリゴという名前を知らずに食べていた人も多いのではないでしょうか。マッシュポテトとチーズという鉄板の組み合わせのため、日本人にも馴染みがあり、また美味しく食べられる料理です。
アリゴの故郷はフランス南部のオーブラック。オーヴェルニュ地域圏の南、ラングドック・ルシヨン地域圏の北、ミディ・ピレネー地域圏の東の境をまたぐエリアです。この地方は昔からチーズが有名であり、また牛肉の産地としてもフランスで広く知られています。
パリでアリゴを食べるなら、オーヴェルニュの郷土料理を扱うレストラン「アンバサダード・ドーヴェルニュ」に行ってみましょう。店名を日本語に直すと「オーヴェルニュ大使館」となるのですが、その名前らしく内装から料理までオーヴェルニュ地方が満載。サレール牛、アヴェロンの子羊、フロム・ダンベール(青カビのチーズ)などオーヴェルニュ地方の食材が満載で、パリにいながらにしてオーヴェルニュ地方を味わえます。
住所 22 Rue du Grenier Saint-Lazare 75003
URL https://ambassade-auvergne.fr
キッシュ・ロレーヌはスイーツの宝庫ロレーヌ地方が発祥
フランスのどこのパン屋やエピスリー(惣菜屋)、シャルキュトリー(食肉加工販売店)を訪れても、必ずといっていいほど店頭に並んでいるのがキッシュ・ロレーヌ。パイ皿にパイ生地を敷き、そこにベーコンとチーズなどを入れて、塩と胡椒などで味付けした泡立てた卵と生クリームを流し込んでオーブンで焼いたものです。
その名の通りフランス東部ロレーヌ地方で生まれた料理です。キッシュ・ロレーヌは塩味ですが、ロレーヌ地方はスイーツが有名で、マカロンはロレーヌ地方の町ナンシーが発祥地です。卵味のタルトですので、アリゴ同様に日本の食文化と比べても身近な味で、多くの人がおいしく食べられるはずです。
パリ市内に滞在していれば手軽に手に入れることができる料理ですが、しいてお店を挙げるならパリに数店あるシャルキュトリー「メゾン・ヴェロ」など。フランスは肉製品が美味しい国ですから、キッシュ・ロレーヌと一緒にテリーヌや生ハムなど、肉製品をいろいろ買ってみて、ホテルでその日の夕食にしてもいいですね。
※本記事は『地球の歩き方』からの転載記事です。