◇1on1の基本
全社で1on1を導入しているヤフーでは、1on1をこう定義している。
「マネジャーがメンバーのために定期的に時間を割き、メンバーの話に耳を傾けることを通して、目標達成と成長を支援する場」
ポイントは「リーダーがメンバーのために、定期的に時間を割く」「メンバーの話に耳を傾ける」「目標達成と成長を支援する」の3つだ。それぞれについて見ていこう。
まず「リーダーがメンバーのために、定期的に時間を割く」。1on1はメンバーのための時間であって「リーダーのための時間」ではない。リーダーが矢継ぎ早に質問したり、案件の進捗を詰めたりするのはもってのほかだ。
次に「メンバーの話に耳を傾ける」。リーダー相手に話をすることで、メンバーの思考は整理されていく。メンバーにたくさん話してもらうために、普段からしっかりと人間関係を構築しておくことや、姿勢や表情、うなずきなどを使って「聞いています」サインを送ることなどを大切にしたい。
最後に「目標達成と成長を支援する」。メンバーが1on1で気づきを得る→気づきをもとに実行する→その結果を1on1で振り返って新たな気づきを得る、というサイクルを回していくのだ。
メンバーの気づきを促すには、リーダー側からの問いかけがカギとなる。前回の1on1の後に経験したことについて、次のように問いかけて考えさせるといいだろう。
・How?(この期間の仕事はどうだった?うまくいった?うまくいかなかった?)
・Where?(具体的にはどこがうまくいった?うまくいかなかった?)
・Why?(それはなぜうまくいった?うまくいかなかった?)
ここまでしっかりと考えさせ、聞き手が気づきを得たら、気づきを次の行動につなげるための問いかけをしよう。
・When?What?(いつまでに、何をする?)
この問いへの答えが得られたら、その日の1on1は終了だ。