言いたいことが言い合える状況になっているかどうかは、会議中に出てきた意見に対して「反対意見はないか」と聞きつつ、会議後の反応にも意識を向けることで確認しよう。その場で反対意見が出ないのに、後から裏で色々な声が上がってきたら赤信号だ。

◇メンバーの才能と情熱を解き放つ

 心理的安全な環境が整ったら、メンバーの才能と情熱を解き放つことを目指そう。それぞれの強みを活かしきれるよう、一人ひとりにはたらきかけるのだ。

 リーダーには、素晴らしいプレゼンテーションもカリスマ性も必要ない。ただただ、メンバーと向き合い、寄り添うことが何よりも大切だ。チームづくりはここからはじまる。

【必読ポイント!】
◆「指示する」よりも「聴く」
◇1対1で話すことの重要性

 現代のリーダーは指導者ではない。ファシリテーターとして、メンバーの才能と情熱を解き放つ人であるべきだ。

 具体的にはどうすればいいか。それは、1:nでチーム全体に対してコミュニケーションを行うと同時に、1:1で話を聴くことに尽きる。1on1ミーティング(以下、1on1)の場で一人ひとりの話をじっくりと聴くのだ。

 なぜ1:nのコミュニケーションだけでは不十分なのか。それは、同じことを言っても、人によってとらえ方は異なるからだ。キックオフ会議で「っしゃー!頑張ろう!」と拳を振り上げて応えてくれたように見えても、内心「いや、これはやばい、自分にとってはハードすぎる」「うーん、頑張ろうと言ってはみたものの、実際どうだろうな」と思っているかもしれない。キャリアプランや成長意欲は一人ひとり違うし、人間関係や私生活に問題を抱えている可能性もある。1:1でじっくり話してみない限り、相手の本心は見えてこないのだ。

◇1on1でメンバーの「もやもや」を共有する

 メンバーは一人ひとり異なる「もやもや」を抱えながら仕事をしている。そのもやもやに寄り添い、解決をサポートして、メンバーの才能と情熱を解き放つのもリーダーの仕事だ。

 1on1を、一人ひとりが抱えるもやもやを知る場にしよう。ほんの少し悩ましいことがあるとき、わざわざリーダーに「相談があります」と声をかけられる人はほとんどいない。1:1の時間をとり、ちょっとした懸念事項を気軽に話してもらえるようにしよう。