開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

子どもの「頑張る力」を伸ばすために、親が絶対に気をつけたい1つのことPhoto: Adobe Stock

リベンジが苦手な男の子、得意な女の子

 男の子と女の子の特性について、親は自分の頃を基準に考えないほうがいいでしょう。

 男の子も女の子も育てたことがある親は実感していると思いますが、以前にも増して男の子は幼く、女の子は精神年齢が高くなっています。

 とくに、リベンジについて、最近の男の子はまったく女の子にかないません。

 首都圏の中学受験の日程は、2月頭の数日に集中しています。子どもたちはたいていいくつかの中学を受験するので、連日連戦となります。

 このとき、女の子は強気の受験日程を組むし、最初の試験に落ちても、その後の試験に勝ってくるケースが増えています。

 逆に、1つ落ちるとシュンとして全部ダメになるのは決まって男の子です。だから、男の子は受験戦略として、前半の日程に安全校を受けたがります。

 男の子は精神的に幼く、リベンジのチャンスを逃しがちなので、早めに競争意識を刺激しておきましょう。(関連記事:どこまでもマイペースな一人っ子の競争心を育む1つの方法

相対的尺度ではなく、絶対的尺度で見守る

 勉強でもスポーツでも、超一流の人はみんな腰が低くて謙虚です。普段からそれが自然体になっているだけであって、「謙虚に振る舞おう」としているわけではありません。そもそも、彼らは自分が謙虚だなどと思っていません。

 こうした素晴らしい態度は、親の姿勢がつくり出すものです。

 これまでずっと述べてきたように、周囲と適度な競争を重ねていくことは、子どもにとって必須です。その上で、本当に能力が高い人間に育てたいなら、最後は「自分と戦える子」にする必要があります。

 さらに言うなら、「昨日の自分に勝てる子」です。他人と比べてどうかという相対的尺度ではなく、「昨日の自分ができなかったことが今日はできている」という絶対的尺度で評価していきましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)