本書の要点

(1)人は同じ環境にあっても、本人がどう捉えるかで幸福度は全く異なる。「気にしない人」は、今という時点において問題がなければ問題はない、ムダに悩む必要はないと考えられる人だ。
(2)「あんなことを言わなければよかった」と過去の発言を悔やむ人は多いが、相手はあなたの発言など忘れている場合がほとんどだ。
(3)「気にしない人」は自分らしさや信念を持っている。他人への思いやりや配慮を忘れさえしなければ、自分軸を貫くことはわがままにはなりえない。
(4)「気になる」を解決する上で大切なことは健全な自己愛を育てていくことだ。健全な自己愛を正しく知り、目標としていけば、人生は少しずつラクになっていく。

要約本文

◆気にしない人が幸せな理由
◇同じことが起きても「気にする人」と「気にしない人」がいる

「未来」「過去」「現在」の中であなたはどこに視点を置いて日々を過ごしているだろうか。もちろん、誰もが3つの視点を見て生きている。だが、人によって、どこに重きを置くかは異なる。

 何事も「気にする人」は、主に未来を見ている。未来というと聞こえはよいが、多くの場合は起きるかもしれない悪いことを考え、際限なく不安になっていく。

 一方で、過去に重点を置いているのは、後悔ばかりしている人だ。「もっと○○しておけばよかった」と気にしてばかりいるのも生きづらい。

「気にしない人」が見ているのは現在だ。今問題になっていることは気にして対応するが、そうでなければ何も気にせず今という時間、空間を切り取って味わうことができる。そういう人は、あるがままを楽しむことができる。

 同じ環境の人生であっても、本人がどこに視点を置くかで、時間の質や幸福度は全く異なる。今という時点において問題がなければ問題はない。そう思えれば、ムダに悩むことなく、「気にする」エネルギーを他に回すことができる。「現在」に重点を置く人は、幸せを感じやすいのだ。

◇今のことを考える練習をしよう

「現在」に重点を置いて生きるには、考え方を変えようとするよりも、先に「行動」することをおすすめしたい。

「気になる」ことが湧いてくるときは、体を何も動かしていない、ちょっとした空き時間であることが多い。つまり、「頭がお暇になっている」ときに、暇な頭が不安や気になることを探しにいってしまうのだ。